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おかやま黒豚銘柄化の推進に向けて

岡山県農林水産部畜産課

1 最近の養豚の情勢

 WTO体制の下での貿易自由化の進展に加えメキシコをはじめとした経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)締結国の増加等,より一層の国際化の進展が予想され,国産豚肉は輸入豚肉に対抗し得る生産性及び品質の向上等が必要となっている。このような中で,「食料・農業・農村基本計画」の見直しがされ,今後の養豚のあるべき姿について「養豚問題懇談会」において検討されてきました。この中で,「国際化に対応し得る生産・流通体制の構築」が挙げられ,銘柄化の推進が取り上げられています。

2 銘柄化の推進

 豚肉に対する消費者ニーズは,高品質,安全・信頼の確保というように多様化しており,こうしたニーズに対応するため,生産者において,さまざまな取り組みが行われている。
 その中でも銘柄化については,特定の品種や系統の組み合わせ,独自の配合飼料等の給与による肉質向上,飼養管理方法の統一等の取組が実施されてきており,平成17年3月現在,全国で255銘柄が作出されています。

3 本県での取り組み

 本県では,県産豚肉の肉質向上を目的として高品質肉豚であるバークシャー種を昭和53年度に鹿児島県から導入し,維持及び増殖を行いさらには,黒豚の増産による産地育成を図るとともに,積極的なPR等により「おかやま黒豚」の銘柄を確立するために,平成2年度には「おかやま黒豚銘柄推進協議会」を設立し,平成3年度からは,生産農家に総合畜産センターで改良した種子豚の供給,さらに平成7年度からは液状精液の供給等,繁殖豚の拡大を積極的に展開してきました。
 また,平成8年度からは,「おかやま黒豚」のブランド化確立のため,原産国であるイギリスから肉質の優良な血統を導入し,現在,在来種豚と指定交配により改良増殖を図っています。

4 今後の展望

 豚肉に対する消費者ニーズは,安全・安心の確保はもとより,高品質で,おいしさを追求した,「おかやま黒豚」のさらなる増産のため,生産者・流通団体・行政と一体となり,黒豚の生産振興を図ることで,県内外の消費者の方にその味を堪能していただきたいと思っています。

「おかやま黒豚」とは… 

 原則として県内指定農家で肥育された黒豚(純粋バークシャー種)で,県営食肉地方卸売市場に出荷し,(社)日本食肉格付協会の格付員により格付されたもの。

1 黒豚(バークシャー種)の特徴

 (1) 体に6白(4本の脚,尾の先,顔)がある美しい黒色の豚。
 (2) 肉は繊維が細かく歯ごたえが柔らかで,独特の風味を持ち大変おいしい。高品質豚肉の代表格で,精肉やハム,ソーセージ等加工品に利用される。
 (3) 産子数は8頭前後,肥育日数は約220日を要する。(※ 一般豚:産子数11頭 前後,肥育期間185日)

2 岡山県における黒豚肉豚出荷頭数の推移

(平成16年3月31日県畜産課調べ)
年度 H5 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16
頭数 1,660 1,850 1,900 2,000 2,124 2,367 3,118 3,422
注) 16年度末現在、黒豚飼養頭数全国第13位

3 県内の黒豚飼養状況(H16年 県畜産課調べ)

  美星町 1戸 約200頭,津山市 2戸 約320頭,奈義町 3戸 約950頭
  神郷町 1戸 約10頭 

4 全国の主な黒豚産地(H15年2月中央畜産会調べ)

 (1位) 鹿児島県 207,346頭,(2位) 宮崎県 49,811頭,(3位) 宮城県 15,195頭
 (4位) 熊本県   4,359頭,(5位) 青森県 4,151頭

5 「おかやま黒豚銘柄推進協議会」の概要

(1) 目  的:黒豚の増産による産地育成を図るとともに,積極的なPR等により「おかやま黒豚」の銘柄を確立する。
(2) 構成団体:黒豚生産者,生産農協,全農県本部,岡山県養豚振興協会,
       岡山県食肉荷受株式会社,(株)岡山県食肉センター,
       岡山県食肉事業協同組合連合会,岡山県産豚肉消費促進協議会
       岡山県,指定登録店
(3) 事  業:@ おかやま黒豚の増頭と産地育成
       A おかやま黒豚のPR
       B おかやま黒豚肉の認定
       C おかやま黒豚販売店の指定