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〔県民局だより〕

石賀博和さん・恵子さん夫妻が農林水産祭天皇杯を受賞!

美作県民局真庭支局 畜産班

 真庭市の和牛繁殖経営 石賀博和さん&恵子さん夫妻が,今年度の農林水産祭天皇杯(畜産部門)を受賞されました。
 本誌9月号でも紹介された,『平成16年度全国優良畜産経営管理技術発表会(主催:(社)中央畜産会・(社)全国肉用牛振興基金協会)』での発表内容が評価されたもので,同部門での受賞は,岡山県では実に26年ぶりという快挙です。

 今回の受賞に至ったポイントは次のとおりです。

(1) 自給飼料生産に立脚した肉用牛繁殖経営

・地域の転作田や耕作放棄地等を活用して,ロールベールを主体とした飼料生産を実施。その結果,飼料自給率64%,粗飼料自給率90%を達成。また,生産された堆肥の90%が飼料生産圃場に還元され,残りも地域内での稲わら交換に利用されるなど,資源循環型の農作業体系を確立。地域内の遊休農地の荒廃防止に多大な貢献をしています。

(2) 意欲的な改良への取り組み

・出荷後の子牛の肥育状態や枝肉成績を独自に追跡調査したり,育種価データを活用することで,経営戦略に沿った計画的な交配を実施。また,受精卵移植技術を活用した効率的な優良後継牛の作出にも積極的に取り組んでいます。

(3) 放牧を活用した「ゆとりある経営」

・放牧を活用した多頭化の推進や,繁殖ステージごとに牛群を分けた効率的な飼養管理を実施。夫婦ふたりが中心の経営で,ひとり当たりの労働時間が年間約1,000時間という「ゆとりある経営」を実現しています。

(4) 低コスト生産と高い収益性の実現

・放牧と群管理による労働費の大幅な軽減や自給飼料生産による購入飼料費の節減により,子牛1頭あたりの生産原価を20万円未満に抑えることに成功。さらに,優良子牛の安定した高値販売により,高い収益性を実現しています。

 これら以外に,経営の優れた点は数多くありますが,今回の受賞は,地域を大切にするふたりの素朴で実直な人柄がもたらした結果であり,また,改良や飼養管理について共に切磋琢磨してきた地域の仲間たちとの強い協力関係が何よりも大きな原動力になったように思います。

 今回の受賞を機に,岡山が全国に誇る和牛繁殖経営者としてさらなるステップアップを期待するとともに,これからも地域の頼れるリーダーとしてがんばっていただきたいと思います。
 本当におめでとうございました!


見事、天皇杯を獲得された石賀さん夫妻

農林水産祭中央審査委員会の現地調査
を受ける石賀博和さん