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新春のご挨拶

社団法人 岡山県畜産協会  
会長 本松 允之

 新年,明けましておめでとうございます。
 皆様方には,健やかに平成18年の新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 平素は,岡山県畜産協会の事業推進に格別のご理解とご支援を賜っておりますことを 厚くお礼申し上げます。
 さて,昨年の国内経済は,順調な回復と云われておりますが,私達畜産の生産現場から見ますと,牛乳・食肉の消費量は伸び悩みの状況が続き,その中で畜産物の輸入量は増加傾向を示しております。又,産地では生産者の高齢化が進み,片方で規模拡大や担い手対策が進められているものの生産減少に歯止めができていない,極めて厳しい年となりました。
 国においての食料・農業・農村基本法も5年を経過しましたところで,思惑通り進まず見直しをされ,食科自給率目標を平成27年に45%と置き替え,消費者対策,農業担い手対策,環境保全など推進手順を具体的に示されたところです。
 畜産関係では,鳥インフルエンザが世界各地で発生し,防疫体制も国際的に進められておりますが,東南アジアでは鳥から人への感染例も見られ,国内においても,より厳しい防疫体制が望まれております。
 また,米国産牛肉の輸入再開も始まり,国内牛肉産業にも大きな影響が心配されております。
 その情況の中ではありますが,外食産業向けはともかく,家庭消費の方は安心安全の観点から,米国BSE対策への警戒感と,世界一の我が国のトレサビシステムによる安心して食べれる国産牛肉に,消費者から大きな支持のあることもマスコミの報道の通りであります。しかし,輸入再開は厳しい情勢にかわりありません。
 更に輸入牛肉の代替品として需要が伸びた豚肉にも影響は避けられず,どこを見ても我が国の畜産業界にとって大きな課題として国際競争の中で対応策を進める必要性に迫られる,極めて苦しい時代に入って参りました。
 この様な情勢下ではありましたが,本県にとって明るいニュースもありました。その一つは17年の全国ホルスタイン・ジャージー種の共進会が栃木県で開催され,出品牛が誠に優秀な成績を納められ,とりわけジャージー種の部では4部門完全制覇と名誉賞を受賞されるなど岡山の実力を示して頂きました。
 また,表彰関係では畜産経営部門において17年度農林水産祭で天皇杯を,真庭市石賀博和夫妻が受章されました。岡山県では26年ぶりの快挙でありました,内容は転作田や遊休農地を活用した低コスト和牛繁殖経営を優れた経営力で実践されたことが,全国の中山間地での模範事例となりました。
 この様に,厳しい環境下であり乍ら,希望の持てるニュースは,これからの県の畜産振興の大切な芽であり誠に喜ばしい限りであります。
 当協会と致しましても,17年の朗報を糧に,刻々と変化する畜産情勢にをふまえた畜産振興に取り組み,経営者,県行政並びに関係団体と連携を密にして,時代に対応出来る取り組みを高めて参りたいと考えておりますすので,本年も何とぞよろしくご指導・ご支援をお願い申し上げます。
 終わりになりましたが,皆様にとって戌年が飛躍の年となりますこととご健勝・ご多幸を心からお祈り申し上げまして,新年のご挨拶といたします。