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〔担い手のページ〕

「将来の夢」

岡山県総合畜産センター 経営開発部

 3月は卒業のシーズン,旅立ちの季節です。
 農業大学校畜産課程の4人の学生も2年間の学生生活を終えようとしています。
 そうした4人に「将来の夢」について語ってもらいました。

「大規模和牛繁殖農家に」

和牛コース  坂本 和也 

 僕の卒業後の夢は,自宅で繁殖和牛を中心に頭数を増やし,大規模農家としてやっていくことです。
 しかし,農業大学校を卒業してすぐには就農してやっていくのは難しいと思うので,まず,卒業後は農協に就職し仕事を毎日頑張って行きたいと思います。そして何年かかるかわかりませんが,少しずつでも資金を貯めていき,夢を叶えたいと思います。
 現在,経済発展が進んでいる中で少しずつではあるが「農業」についても興味が示されています。今,日本は,ほとんどの食品が輸入されていて,日本の中で農家が厳しい状況におかれています。これからは食品の輸入を少しでも減らして日本国内でできた野菜や果物,食肉を増やして行くためにも僕たちのような若い人達がもっと農業に興味を示し,自らが農業をしていくことが大切なのではないかと思いました。
 僕はこれからの農業について仕事をしながら学び,「将来の夢」を頑張って叶えたいと思います。

「みんなの影響が夢を大きくした」

和牛コース  川添 沙織 

 私の夢は,畜産のプロになる事です。畜種はもちろん牛です。
 家は非農家ですが農業高校に入学し,畜産の勉強をしていくうちに興味を持ち農業大学校に進学しました。農大に進学してからもう2年が経ち3月で卒業です。この2年間で畜産に対する気持ちがとても大きくなり,今では「一生,畜産関係の仕事がしたい!!」と思うようになりました。
 農家留学研修で一ヶ月間お世話になった農家さんや,総合畜産センターで一緒に実習した技術員の方々は生き生きしていて魅力があり,本当にカッコ良かったです。そういった方々の影響で私も大きな夢を持つことができました。
 畜産の最大の魅力は,人が生き生きしていて,目標を持ち,その目標に向かって毎日努力をしている事,畜産関係の仕事をしている人は,みんな心が温かく優しい事です。そして,やりがいがある事です。
 私は農業大学校を卒業したら,津山の和牛繁殖農家さんの所で働きます。いろんな事を学び経験しながら夢を叶えていきたいです。

「初生雛鑑別師に」

中小家畜コース 坂本友里恵 

 私の農業大学校卒業後の夢は,名古屋にある初生雛鑑別師養成所へ入学する事です。
 初生雛鑑別師養成所は,養成期間が五ヶ月しかなく,その期間内に鑑別の理論や,養鶏全般等の勉強をしたり,養鶏機関の見学等を行います。
 私はそこに入学して,夢である初生雛鑑別師の勉強を頑張りたいです。
 しかし,初生雛鑑別師養成所の合格率は50%しかなく,無事卒業しても,約70%の人が資格を取る事なく,辞めていくそうです。
 でも私は,どんな困難な事でも諦めず,目標を達成していきたいと思います。
 今,私の目標は,初生雛鑑別師養成所へ入学する事です。それに向けて,全力で頑張ります。

「幸福な養豚経営を」

中小家畜コース  三宅  南 

 農業大学校卒業後の将来の夢は,養豚農家になる事です。
 高校入学時に初めて家畜に出会い,養豚経営に魅力を感じていました。それから農業大学校に入学し,講義や実習を通して多くの事を学びより一層養豚経営に魅力を感じて絶対に卒業後は養豚経営がしたいと思っています。
 私が思う養豚経営は種豚から肥育豚まで全ての豚が,その生涯が終わるまで幸福でいられるような経営です。
 私は人は家畜の肉を食べて生きて幸せを得ていると思います。だから幸福をくれる家畜にも短い生涯でも幸福でいて欲しいと思います。
 一言で家畜の幸福と言ってもどんな事があるのかわかりません。私が考える家畜が幸せになれる経営は家畜にストレスをできるだけ与えずに,肥育は放牧中心で経営したいと考えています。
 畜舎の中でギュウギュウになって飼育するより家畜がノビノビとしてゆったりと成長できるのではないかと考えています。まだまだきっと家畜へのストレスを解消できる経営があると思います。
 私が目指す養豚経営は家畜が幸せで,その肉を食べた人も幸せになる美味しい肉を生産する事です。
 それが私の農業大学校卒業後の目指す夢です。


左から 坂本 友里恵さん  三宅  南さん
    坂本 和也君   川添 沙織さん

 4人の学生達は,みんな将来に大きな夢を持って社会に羽ばたこうとしています。
 畜産の話題といえば厳しい話題が多い中で,畜産に夢と希望を持って取り組もうとしている4人の若者に関係者のみなさんの温かいご支援をお願いします。