ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2006年3月号 > 〔畜産農家の声〕食糧自給率?

〔畜産農家の声〕

食糧自給率?

美作市山外野 小林 大悟

 私は,父と牛の削蹄をしながら旧美作町で和牛繁殖経営を行っています。現在約40頭の繁殖和牛を飼っており数年前から「遊休農地」での放牧を行っています。
 畜産経営を行っていて,一つ気になることがあります。輸入飼料に頼っている日本の畜産物の生産が増えれば増えるほど食糧自給率が下がるということです。食料の自給に貢献する農業が自給率を低下させているということは理解しがたいことでした。和牛繁殖農家のように飼料自給率が高い経営でも規模拡大して輸入飼料に頼ると食糧自給率を下げることになるのかと思うと複雑な気持ちです。

 そんな気持ちを持ちながら父が積極的に進める放牧を見ると,これが本来のやり方かと考えさせられます。父は放牧期間中は増し飼い飼料の給与をしない自給率100%の飼い方を行っています。父の受け売りですが,「荒廃農地」に牛を放牧し,その土地を農地として復活させ地主に戻し,そこで農作物を作ってもらいます。牛は次の荒廃農地で放牧をし,また次の農地を復活させるという「耕畜連携」を進めたいと思います。
 また,放牧の見回り等の管理や軽作業を地元のお年寄りに頼むことにより,小さいながらも地元での仕事や生き甲斐を生むことになればいいと思います。
 稲わらは昔から畜産に有効に活用されていました。しかし最近は,稲作農家がコンバインでわらを切り落とすようになり収集自体が難しくなっています。あわせて大型畜産農家は,自分で集める時間は無いし,購入すれば輸入乾草よりも高いので利用が減りました。

 我が家のような中規模繁殖経営では比較的労働力があるので,積極的に稲わら収集を行っています。稲わらを使うことは食料自給率の向上に即つながります。そのための機械を整備するつもりです。耕畜連携というかけ声だけはどこでも聞きますが,自分の経営に有利に働かなければなかなか進みません。我が家では,生産された堆肥がエサや敷料に交換できる稲わら堆肥交換は有効と考えられるので積極的にすすめたいと考えています。

 ここまで書いてきたことは,我が家の規模の繁殖経営だから取り組めることですが,常にこういう意識をもって,牛飼いを続けていきたいと思います。