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期待に応えられる協会活動を目指して

岡山県畜産協会専務理事 樋口 義男

 先の総会及び理事会におきまして私達7名は新たな役員に選任されました。畜産を含め農業を巡る諸情勢がめまぐるしく変化しておりますが,これまで農業・農村の発展や近代化に大きく貢献してきた畜産業がこの先も揺るぎなく継続されるよう,会員団体や関係の皆様のご協力をいただきながらこの大切な時期の重要な任務にあたらせていただきます。

 0−157やBSE等を経験して急速に高まった消費者の安全・安心意識が定着し,価格よりも安全や質を問われる時代がやっと来ました。国産志向による堅調な価格,有機農産物への需要や男女共同参画意識の高まりなど,近年の畜産業は社会のニーズにも乗って追い風の中にありますが,牛乳等の消費停滞から酪農部門への風向きが変わりつつあります。その要因を軽々には論じられませんが,「食生活の崩れ」「食育の欠如」が大きく取り上げられ,質と安全への感心も高い折りから,生産と乳業の相互理解の基で実施している当協会の厳格で公正な生乳検査の実態など県産乳の安全と品質への信頼につながる取り組み等を前面に,食育推進の担い手としても消費の回復に貢献したいと考えております。
 また,我が国では畜産物の国際流通を見越した早くからの厳しい検疫体制や関税のセーフガード,更には輸入関税を充当した生産奨励や価格保証対策,肉用牛売却所得の免税措置,米対策に絡めた飼料作物増産対策など国内の需給状況や生産現場を見据えた措置が隈無く執られています。野菜・果樹・魚など農林水産業の他部門はもとより商工業にも類を見ないこうした手厚い措置の多くは,県・市町村・農協等による綿密で煩雑な事務で成り立っています。あらゆる分野で改革や合理化が進められておりますが,畜産分野ではこうした措置がこれまでどおり生かされ,決して生産農家が「改革や合理化の犠牲」になることがないよう,県・市町村・農協や諸団体としっかり連携して事業推進に努めます。
 工業県への躍進を目指しながらも「考える農業」「科学する農業」を叫び,畜産の振興に熱意を燃やされた三木知事の思いや,ニュージーランドからのジャージー牛を満載して揚々と蒜山に向かう車列に写る鉢巻き姿の勢いなど,可能性の実現に挑んでこられた尊い先人の努力を忘れることなく,岡山県畜産のこの先の淀みない発展の一翼が担えるような協会活動を目指しますので変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。

岡山県畜産協会役員名簿