ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2006年9月号 > 〔県民局・支局だより〕『千屋牛』って地域の歴史でもあるんだ! |
今年,この新見支局に赴任してきて,一番耳にするのが,『千屋牛』。
「『千屋牛』って,なにかな〜?」って調べているうちに,いろんなキーワードに遭遇しました。「竹の谷蔓」,「太田辰五郎」,「第十三花山」,「碁盤乗り」,「ブランド和牛肉」,「千屋牛追い唄」……,つまり阿新地域の歴史と伝統でした。
なかでも,太田辰五郎(1802〜1854)という人物は,新見市の千屋において,製鉄業で富を成した後,私費を投じてこの新見の千屋に牛市場を創設したことをはじめ,『千屋牛』の基礎を築いたことに始まります。その後,阿新地域では和牛の改良増殖を推し進め,「第十三花山」という名牛の誕生にもつながった歴史がありました。
(新見市千屋 太田辰五郎碑)
「こんな所に立派な碑あるなんて!」(筆者談)
そして,この新見を車で走っていると,市のいたる所に,『千屋牛』の像を目にします。
『千屋牛』の碁盤乗り像
よ〜く見ると,四角い箱の上に乗っているじゃありませんか。そうなんです,ここ新見では,大正時代から農耕用の『千屋牛』をしつけるために編みだした高等技術があるのです。大きな『千屋牛』が約40p四方の碁盤に四本の足を上手に乗せて,ちょっこんとしている姿を皆さんも想像してください。今も岡山県立新見高校北校舎の方々によって,伝統を受け継がれています。
現在の新見市である阿新地域は「和牛のふるさと」として,県内外に広く知られるようになり,また生産される黒毛和牛である『千屋牛』は,岡山県を代表する優良肉質和牛銘柄としても広く知られるようになりました。しかし現状に満足することなく,5つのコンセプト
@優良和牛
A健康牛
B安全牛
C安心牛
D信頼牛
のもとに生産・出荷されている千屋牛の増頭の夢に向かい関係機関および関係者みんなでがんばっている最中です。
また,新見市では,繁殖センターを整備し,新たなシステムで千屋牛の増頭を計画しています。