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〔県民局・支局だより〕

経営理念は 「牛にも人にも良い環境」
〜蒜山ジャージーの若きリーダー,丸山昭博さん矢野賞受賞〜

美作県民局真庭支局地域農林水産室畜産班

 次代の岡山県農業を担う優秀な青年農業者を表彰する第53回矢野賞(財団法人矢野恒太記念会主催)を,畜産分野から真庭市蒜山の酪農家,丸山昭博さん(33)が受賞されました。
 今回の受賞は,消費者と牛を常に意識した,快適な飼育環境と良質自給飼料給与による模範的な経営と,後継者クラブや食育活動など地域のリーダーとしての活躍が高く評価されたことによるものです。
 丸山さんは平成10年にUターンし,平成14年に経営移譲を受けて本格就農し,以来「牛にも人にも良い環境」を経営理念として,省力・低コスト経営とともに環境に配慮した飼養管理を実践しています。また優良牛の改良にも意欲的で,平成16年には岡山県畜産共進会において優等賞首席を受賞するなど,県下でも高い評価を得ています。
 また,その厚い人望から,今年度30歳代では初となる,蒜山酪農農業協同組合の理事に就任されました。牛乳の消費量の減少,乳価の低下,生産調整など酪農情勢が厳しい状況にある中,地域の農業・酪農,そして蒜山ジャージーの発展のために,その発想と行動力に期待が寄せられているところです。
 次に丸山さんの取り組みの一部を紹介します。

1 経営概要

・ジャージー経産牛63頭,育成牛32頭
・乳量 6,240s/頭
・草地管理面積 23ha
・労働力 本人,妻,両親


奥様と授賞式にて 10月13日 第一生命本館(東京都)

2 主な取り組み

(1)フリーバーン牛舎の整備とカウコンフォートへの取り組み

 平成13年度畜産基盤再編総合整備事業を活用し,ジャージーでは県下初となるフリーバーン牛舎を整備し,牛の快適性の向上を図り,TMR方式の採用などにより,高水準の乳量と乳質を誇っており,牛にも人にも優しい酪農経営を実践している。
 なお,丸山牧場のフリーバーン牛舎整備が先進事例となり,蒜山において同タイプの牛舎が数件計画されている。

(2)自給飼料増産への取り組み

 コスト低減のため,粗飼料自給率100%をめざし,化学の専門知識を活かし肥料設計にも取り組み,良質な飼料確保に努めている。飼料基盤23haのうち借地は21haと,地域の水田利用の高度化にも貢献しており,堆肥の還元,販売と循環型農業を推進している。

(3)地域への貢献と後進への支援

 Uターンと同時に,青年農業者クラブ「蒜楽会」に加入し,持ち前の行動力と協調性により,地元小学生への農業体験指導など地域一体となって実施し,平成16年からは同会会長としてカウコンフォートの実証研究活動をリードするなど,様々な分野で活躍している。また酪大研修生や高校生の職場体験,小学生見学受入など,地域を担う若者の育成にも積極的に取り組んでいる。
 最後に今年7月,「美作夢づくり協働プラザ,テーマ:美作の酪農をもっと元気にしよう!(美作県民局主催)」での生産者代表として出席していただいた時の丸山さんのご意見を。
「蒜山でジャージーを飼育。会社員経験後Uターンで就農。自分なりの努力で消費者に美味しい牛乳を届けたいと頑張っている。酪農の仕事も,延べ平均してみるとその拘束時間はサラリーマンと大して変わらないと感じる。勿論,それなりの投資とか作業工程の簡素化も必要だが,だらだら仕事をしないように心懸けている。日々気をつけているのは,消費者の直接口に入るものだから,乳質には細心の注意を払っている。おいしい牛乳は健康な牛から。牛を健康に飼うことが最前提。購入飼料には頼らず土壌管理などに努力して自給している。・・・」
 丸山さんと蒜山ジャージーの今後のさらなる活躍に期待します。