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〔畜産農家の声〕

上物率70%以上を目指して

高梁市川上町 妹尾 正六

 私の牛飼い人生は以前勤めていた旧川上町農協を昭和51年に退職し,両親の経営を継いだことから始まりました。当初は搾乳牛8頭,肥育牛(F1)15頭程度の小規模複合経営でしたが,徐々に搾乳牛15頭,肥育牛40頭規模まで拡大しました。乳牛に和牛を種付するF1の肥育一貫経営を中心に,市場価格も高値で,順調に経営をスタートしました。
 その後,和牛子牛が安いため,また肥育経営を拡大してはとの農協の勧めもあり,和牛肥育を開始しました。昭和59年に近代化資金1,400万円を借り入れ牛舎増築(900万円)と素牛導入(44頭16万円平均)を行い,古い牛舎と合わせて80頭程度が飼育できるようになりました。当時は糸藤中心の増体系が主体であり,飼育方法も不断給餌で去勢牛で700〜800s,雌牛でも大きいものは700sになりました。生体は市場で高値で取引きされ,経営面でも順調でしたが,平成3年牛肉輸入自由化により枝肉価格は低下し,輸入牛肉との差別化が図られる中で肉質においては2,3等級が多く厳しい時代をむかえました。その頃,全農による肥育プログラムが示され,上物(肉質4等級以上)率が70%になるということで早速取り組みましたが,なかなか思うような結果はでませんでした。
 試行錯誤を繰り返している頃,発酵飼料を利用した飼育方法を聞く機会があり,今一度(今度だめなら肥育経営をやめる気持ちで)取り組みました。育成期の管理方法を変更したり,中後期のビタミンAコントロール等にも取り組み,最初はなかなか理解できないままの出荷ではありましたが,上物率は60%の成績を得ることができました。その後,さらに肉質の向上を目指し,飼料メーカーの勧めもあり,ビタミンA含量の低い飼料に変更しましたが,前期から中期にかけて飼料の食い止まりがみられ,また,調子を崩す牛も多く,勉強不足をつくづくと感じさせられましたが,JA等関係機関の指導により事故は殆どなくなりました。酪農は10年ほど前に辞め,現在は約50頭の和牛肥育経営を行っており,第9回度鳥取全共の出品候補牛の肥育にも取り組んでいます。
 平成13年にはBSEが日本でも発生し,厳しい時期もありましたが,その後枝肉価格も回復し高値で推移しています。しかし依然素牛価格は高く,米国産牛肉も輸入再開となり経営的には更に厳しくなるかと思われます。今後は以前使用していた搾乳牛舎(15頭規模)に繁殖和牛を導入し,一貫経営にも取り組み,枝肉重量の増加,優良素牛の選定,飼育技術の向上を図ることで,上物率70%以上を目指し,安定した経営を維持できるよう頑張りたいと思っています。


第9回鳥取全共出品候補牛