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食品残さ等利用飼料の安全性
確保のためのガイドライン

岡山県農林水産部畜産課

第1 目 的

 わが国の飼料自給率は25%と低く,新たな食料・農業・農村基本計画においても飼料自給率の向上が重要な課題となっており,食品残さの飼料利用が昨今注目され,取り組みが活発化しています。一方,食品残さを利用した飼料は異物の混入等固有の問題があり,安全性確保及び家畜衛生の観点から管理の基本的な指針としての「食品残さ等利用飼料の安全性確保のためのガイドライン」が策定されました。
 このガイドラインは行政手続法に基づく「行政指導」に該当するものと位置づけられており,ガイドラインを周知することで,飼料の安全性の確保を図ることを目的としています。

第2 定 義

 食品残さと一口に言っても,その種類は多岐にわたるため,ガイドラインでは@食品製造副産物等A余剰食品B調理残さC食べ残しD食品残さ等利用飼料E生残飯の6種類に分類されています。この分類ごとに原料収集,製造,保管,給与等の各過程における管理の基本的な指針が定められています。定義の詳細については,ガイドライン本文をご参照ください。

第3 原料収集,製造等に関する基本的な指針

 食品残さの安全性確保のための対策として,@原料収集時等の異物の分別の徹底,A原料排出元の責任の明確化,契約,確認,B必要に応じた加熱処理の規定を設けています。@及びAの規定については飼料安全法に基づくものではなく,飼料安全法上の罰則対象とはなりませんが,有害な物質を含み又はその疑いがある原料又は材料を用いた場合は飼料安全法に抵触する可能性があります。また,Bについては家畜衛生の観点から病原微生物汚染を防止するために設けられたものです。@からBのいづれの規定も,食品残さの安全性確保を万全なものとするために設けられています。

第4 製造等管理体制

 飼料の製造から出荷までの業務管理を的確に実施するため,また飼料に動物性たん白質や有害物質又は病原性微生物の混入や汚染がなく,品質管理が徹底されるよう飼料業務管理規則や飼料品質管理規則の策定が求められています。

第5 農家における製造,保管及び使用

 農家での製造についても,製造業者と同様に「第3 原料収集,製造等に関する基本的な指針」が適用されます。また,抗菌性飼料添加物を含む飼料を製造する場合は,自家配合であっても飼料製造管理者の届出の手続きが必要となります。
 同時に,保管及び使用にあたっては,反すう動物用飼料への動物由来たんぱく質混入防止に関するガイドラインに則しA飼料とB飼料の混入がないようにする他,使用した飼料の使用量,購入先等を帳簿に記載する必要があります。

第6 配合飼料工場における利用

 動物性たん白質を含む食品残さ等利用飼料を豚及び家きん用配合飼料の原料に用いる場合は,農林水産大臣の確認を受ける必要があります。

排出事業形態による食品残さの利用性
 ここで,ガイドラインを離れ,排出側の事業形態ごとに食品残さをとらえると,飼料としての利用性は次のとおりとなります。なお,飼料として使用されたことのない飼料の製造に当たっては「飼料の安全性評価基準」(昭和63年4月12日付け畜産局長通知)に基づきその安全性等についての試験が必要となります。

1)食品製造業

 この業種から発生する飼料残さは食品製造副産物,余剰食品で,米ぬか,米麺かす,パン屑,おから,菓子屑,醤油粕,焼酎粕,ビール粕等があります。品質,内容が明らかで,大量に安定供給されることから飼料への再生利用が十分可能です。

2)外食産業,食品卸売・小売業

 この業種から発生する食品残さはには調理残さ,食べ残し,廃食用油,回収弁当等の余剰食品等があります。これらには異物混入,品質劣化,栄養成分のバラツキ等の問題があり,飼料利用は,品質,供給面で安定性のあるものに限定されます。一方,国際線の航空機及び海外航路船から排出される調理残さ等は,動物検疫の観点から,原則として陸揚げが認められていません。これらを含め外国関連施設から排出される調理残さ等は,飼料原料として使用できません。

3)一般家庭

 家庭から排出される食品残さは家庭ごとに品質,内容等が不明で発生が少ないことが特徴的で,腐敗物や多種の異物混入の可能性が高い等,安全性の確保が難しいことから,原則として飼料原料として使用できません。

 独立行政法人 肥飼料検査所ホームページ(http://www.ffis.go.jp/)にガイドライン全文とガイドラインに対するQ&Aが掲載されています。社団法人配合飼料供給安定機構(http://mf-kikou.lin.gr.jp/index.htm)には「食品残さ飼料の利用を進めるために」と題し,推進のためのパンフレットも掲載されております。今回,十分説明出来ていない部分等もありますので,ぜひ,ご確認ください。