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〔共済連だより〕

家畜診療日誌

岡山西部家畜診療所 田村 展敏

 私が,この岡山西部家畜診療所に赴任してはや2年が終わろうとしています。朝6時起床,7時出発,1時間20分かけ診療所へ,診療の受付を終え,9時40分前後診療開始,午後15時―16時頃終了し一路診療所へ,車の薬を整理整頓しパソコンにカルテ入力し帰宅。概ねこのパターンが診療所での1日です。この診療所に赴任したH18年4月には,カルテが電子化され,当初はカルテの入力操作に苦労したため,21時頃終了し帰宅,心身ともくたびれていて,夕食を食べお風呂に入ってそのまま就寝する毎日でした。今はパソコンへの入力に慣れたせいか充実した毎日を送っています。
 西部家畜診療所は,所長以下5人体制で,高梁市(高梁・有漢・川上・備中・成羽)・吉備中央町(旧賀陽)・真庭市(旧北房)・新見市(旧新見・哲西・哲多・神郷)を診療範囲としています。平日は,各自担当地区をもって診療を行っていますが,土曜・日曜・祝祭日は1人で診療当番をしています。
 畜産農家がある場所は,市街地にはなく,山間部に点在しており,山あり・谷ありの細い道のため苦労する事が多々あり,当番時の診療件数が多い日,特に冬は大変苦労します。
 県内で,1日の走行距離が約200q走行する獣医師がこの診療所に3名いるのにビックリしました。この診療所は体力・気力・やる気勝負と思いました(でも,毎日の挨拶・会話・笑談等があれば,一日の疲れ等が吹っ飛んでしまい爽やかな気分になり,明日も気持ちよく仕事ができると思います)。
 しかし,畜産農家の高齢化・後継者不足による農家戸数・頭数が,年々減少傾向にあるうえに,消費者の牛乳離れによる牛乳消費・乳価の低迷・飼料代の値上げ等により,さらに減少に拍車がかかりそうです。それに伴い診療所の統廃合等も余儀なくなり,いずれ近いうちに起こる様になり,診療範囲が今より広くなって走行距離も増加します。そうなれば,各獣医師が一致団結・協力し,これからの畜産農家と,より一層のコミュニケ―ションをとり現状等をよく理解・把握しながら仕事等をしていかなければならないと思います。
 気候のよい時期はよいが,悪い時期(特に雪による積雪地帯・県北部)の診療は,安全運転に心がけスリップ等の事故に注意しながら,今まで以上に運転等に注意し気をひきしめて仕事をしたいと思います。