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〔普及の現場から〕

超早期離乳と耕畜連携で進める肥育繁殖一貫経営!
〜高梁市備中町江草牧場の取組〜

高梁農業普及指導センター

1 はじめに

 厳しい肉用牛経営の情勢の中にあって,中山間地域で肥育繁殖一貫経営に取組む江草牧場を紹介します。

2 牧場の概要


牛舎全景

 江草牧場は,岡山県の西北部,広島県と接する中山間地域の高梁市備中町にあります。 地域では,黒毛和牛の繁殖,肥育経営と共に標高を活かした高品質な夏秋トマトやピオーネの栽培も盛んです。
 経営は,20年前に肥育繁殖合わせ約10頭で開始され,年々規模拡大を進め,現在では地域内で最も大きな肥育農家の一つになりました。(表1参照)

表1 経営概況

3 肥育部門の取組み

 経営の中心である肥育部門では,肉質改善と枝肉重量増による質量兼備の牛づくりを目指しています。
 また飼養管理面では,観察の徹底による疾病の早期発見に注意を払っています。
 さらに改善対策の1つとして,JAびほく営農生産部を中心に畜産関係機関等に協力を得て,血中のビタミンA量と総コレステロール量のサンプリング調査によるコントロールを毎月取組んでいます。


肥育牛舎

 その結果,事故率低減や管内枝肉共励会での好成績につながっています。
 また,本年鳥取県で開催される第9回和牛能力共進会の出品候補の肥育にも取組んでいます。

4 子牛生産部門の取組み

 子牛生産の本格的取組みは,子牛導入数の確保と経営安定を目的に7年前から行っています。
 その方法は,妊娠牛を導入し一産後,親牛,子牛を肥育するいわゆる一産取り肥育で常時飼養25頭まで規模拡大をおこなってきました。(表1参照)
 また,昨年度より妊娠牛導入の価格対策や遺伝的改良と繁殖牛の耐用年数延長を目的に,優良繁殖牛の保留を本格的に取組んでいます。


繁殖牛

 昨年は,繁殖牛のうち10頭程度に人工授精を行い,自家子牛の生産の拡大を行う予定です。
 子牛の哺育育成は,自然哺育で行っていましたが,3年前より子牛の下痢予防や発育改善を目的に,生後1週間以内での超早期離乳に取組んでいます。 
 現在では,全農の哺育マニュアルにより,全頭超早期離乳を実施しています。哺育育成された子牛は全頭肥育素牛として利用し,昨年は40頭の肥育素牛を生産しました。
 自家産子牛は,肥育部門への移行時も飼養管理,粗飼料給与等も連続的に管理可能で,今後も子牛生産規模の拡大を考えています。


哺育牛舎

5 耕畜連携への取組

 江草牧場では,稲ワラを肥育部門の粗飼料として年間約50t使用しています。近年,外国産稲ワラの輸入禁止措置などにより,稲ワラ入手が困難な状況でありましたが,JAの仲介により瀬戸内市などの県南部からの国産ワラ確保を進めています。これからも安全な国産ワラの集積利用を進めます。
 また牛舎から排出される牛ふん尿は,全量を堆肥舎で堆肥化しています。発酵は,約半年間,発酵菌を添加して切返ししながら生産されます。
 生産された堆肥は,近隣,市内の農家はもとより県内の園芸農家を中心に,配達,販売され好評を得ています。


堆肥舎

6 おわりに

 江草牧場は,今後とも安全安心な牛肉生産と消費者ニーズに対応して進めていきたいとのことです。将来の目標は,肥育牛300頭,繁殖牛100頭規模と考えています。
 県下のモデル的肥育繁殖一貫農家として,益々の発展を期待されています。