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〔県民局だより〕

機械導入に係る実作業率等の算出事例

備前県民局農林水産事業部農畜産物生産課

 農業機械導入するにあたり,適正な能力や導入台数について検討する必要がある。検討方法については,「特定高性能農業機械導入計画」(岡山県,平成17年3月),「平成17年度 農業経営指導指標」(岡山県農林水産部)に記載されているとおりである。
 この中で,実作業率・ほ場作業効率については,「農林省農事試験場作業技術部研究成績」(1968),「農作業便覧」(日本農作業学会,昭和60年)に基づき,おおよその目安として記載されている。
 コントラクターや作業受託農家が進展し,農地基盤整備された地域であっても,予想外にほ場の分散が大きく移動時間がかかるため,実作業率が上記指標と乖離するのではないかと予測した。
 管内の稲わら収集作業のうち,ロールベーラーのほ場作業時間について調査したので,事例報告する。

実作業率(%)

 実作業率:1日の作業時間のうち,ほ場内作業時間の割合。

 1日の作業時間:通常,日長時間(12時間)から朝食1時間,昼食1時間,休憩1時間の計3時間を差し引いた9時間とするが,作業内容によって異なる。稲わら収集の場合,朝露が乾き始める9時から夜露が落ちる17時までの8時間から昼食1時間を差し引いた7時間を基準とした方がよい
 ほ場内作業時間:実際にほ場内で作業する時間。機械の装着や調整時間,ほ場までの移動時間,作業後の清掃時間などは含まない。

ほ場作業効率(%)

 ほ場作業効率:理論作業量(ha/時)に対する,ほ場作業量(ha/時)の割合。

 理論作業量(ha/時):直進作業のみ行うときの時間当たり作業面積。カタログ値。

 ほ場作業量(ha/時):実際に計測した時間当たりの作業面積。

 調査結果は,表1のとおり。

表1 ロールベーラーの作業時間(1日あたり)  ロール192個

 初めて稲わら収集を行うことや,3日後から天気が崩れる予報も重なり,昼食や休憩をほとんど取らなかったため,労働時間が12時間を超える作業となった。予測に反して実作業率は,69%でおおむね指標どおりとなった。これは,機械庫からほ場までは遠いものの,ほ場間の移動距離が近かったためと考える。
 ほ場作業効率は,ほ場内にあらかじめ集草していたため,通常の作業量計算ではなく,レーキ作業幅で集草の畝数を予測し,一直線に畝があると想定して理論ほ場内作業時間を求めた。カタログ値の作業速度は5q/時であったが,ほ場が泥濘で,集草ロスを少なくするため実際は平均2.5q/時となり,指標の50%を大きく下回り,25%であった。

 今回の調査期間は,1日間のみで,しかも移動時間の計測を5分単位で行うなど,精密なデータではない。実作業率やほ場作業効率については,ほ場内作業時間の計測で求められるので,オペレーターの作業記録があれば計算できる。
 農家が機械導入する時,より現実的なシミレ−ションを提案するには,さらに省力的で簡易な調査方法について検討し,データの蓄積が必要である。