ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2007年5・6月号 > 〔特集〕平成19年度重点施策と新規施策について

〔特集〕

平成19年度重点施策と新規施策について

岡山県農林水産部畜産課

1 酪農対策

 乳用後継牛を県内で安定的に確保できる体制づくりや,関係機関と連携した牛乳の消費拡大に取り組むとともに,雌雄判別受精卵移植技術等の新技術の活用と牛群検定の普及促進等により乳用牛の改良・増殖を図ります。

 ○蒜山地域ジャージー活性化モデル事業(新規)
  観光客等の消費者に対し,酪農体験や交流ができる場の提供,地域限定商品の開発やこだわり牛乳へのチャレンジ等を通じて,ジャージー牛の新たな魅力を創出し,乳製品等の販売拡大により地域産業とジャージー酪農の安定的な発展を図ります。

2 肉用牛対策

 受精卵移植やF1雌1産取り肥育技術を活用した和牛増産や,産肉性の高い種雄牛づくりのほか,地域内一貫体制の拡大,放牧による省力化などを推進します。併せてトレーサビリティーシステムの充実による「おかやま和牛肉」の全国ブランド化を推進します。

 ○おかやま和牛増頭モデル事業(新規)
  従来肉資源のみに活用されていた肥育用雌牛を,ET技術を利用することで生産資源としても活用し,効率的におかやま和牛の増殖を図るとともに,地域内・経営内繁殖肥育一貫経営形態を推進することで,肉用牛肥育経営の体質強化を図ります。

3 養豚対策

 優良種豚の導入,省力的な飼養管理等による低コスト生産を推進するとともに,消費者のニーズや安全安心確保に対応するため,SPF豚,黒豚等の高品質肉豚生産推進に取り組みます。さらに,「おかやま黒豚」の積極的なPRと学校給食への供給を行い食育や地産地消を推進します。

4 養鶏・養ほう対策

 養鶏については,効率的,衛生的な飼養管理を推進し,安全安心な鶏肉・鶏卵の供給と経営安定に努めます。
 養ほうについては,耕種農家との連携によるみつ源増殖と円滑な転飼調整に努めるとともに,安定的なみつ源確保とはちみつの生産拡大を推進します。

5 飼料対策

 飼料自給率の向上のため,水田を活用した稲発酵粗飼料の作付拡大や稲わら等の収穫面積の拡大等を図ります。
 また,飼料基盤に立脚した生産性の高い経営体や林地等の畜産利用による生産団地の育成,畜産物の生産流通体制の整備を推進し,地域畜産の活性化と持続的発展を図ります。

6 家畜衛生対策

 口蹄疫,BSE,高病原性鳥インフルエンザなどの海外悪性伝染病に対し,家畜保健衛生所を中心に,関係機関が一体となって,危機管理体制の整備や監視体制の一層の強化を図ります。また,県内で多発しているヨーネ病をはじめ,国内で発生のある監視伝染病や慢性疾病についても発生を未然に防ぐための防疫を推進します。

7 畜産環境対策

 家畜排せつ物法に適切に対応するため,引き続き家畜排せつ物処理施設の適正管理について指導を徹底し,環境問題発生の未然防止を図ります。また,土壌や作目に適した堆肥施用技術システムと高品質で利用性の高い堆肥を開発すると共に,堆肥散布作業受託組織の育成等,耕種農家との連携による堆肥の利活用を促進し環境と調和のとれた畜産業を推進します。

8 技術開発

 ○機能性成分を生かしたジャージー生産物の付加価値向上技術の開発
  ジャージー種の生クリーム等の製造後に残る余剰脱脂乳や経産牛の肉について特長的な成分に着目し,健康や高付加価値食品を求める消費者のニーズにあった新製品の開発を通じて,蒜山地域におけるジャージー酪農の6次産業化を推進します。
 ○地域資源活用型TMRセンター構築による飼料自給率向上システムの確立
  飼料自給率を向上させるため,地域の粗飼料及び食品製造副産物の特性を明らかにし,飼料として利用方法を検討することにより,地域資源活用型TMRセンターの構築を図ります。
 平成19年度の岡山県畜産施策の推進方針,主要事業は以上のとおりですが,これらの施策を円滑に,効果の高いものとするためには,皆様方の御理解と御協力が不可欠であると認識しております。今年度も引き続き多大なる御支援を賜りますようお願い申し上げます。


整然と並んだロールベール(総合畜産センター)