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〔特集〕

平成19年度重点事業について

社団法人岡山県畜産協会

1 推進方針

 最近の畜産は,高齢化や担い手の減少,高病原性鳥インフルエンザ等感染症の発生,生乳の生産調整,配合飼料価格の値上がり,WTOや日豪交渉の成り行きの不透明さなど多くの課題を抱えていますが,一方で消費者の食に対する安全・安心への意識の高まり,地産地消運動などにより県産畜産物への需要は高まっています。
 そのような,状況の中,畜産協会では下記課題を重点的に推進します。
 (1) 生産性の高い畜産経営体を育成するための経営診断
 (2) ふれあい体験交流推進
 (3) 死亡牛のBSE検査の補完業務
 (4) 肉用子牛,肥育牛,肉豚生産者に対する価格又は所得保証対策
 (5) 肉用繁殖雌牛の増頭対策
 (6) 家畜伝染性疾病の自衛防疫
 (7) 生乳検査並びに乳質改善指導

2 主要事業

 (1) 畜産経営技術高度化促進事業
  ア 畜産経営体支援指導研究会の開催指導研究会を数回開催して,酪農経営複式簿記マニュアルの作成を行います。
  イ 地域相談窓口の設置
    地域において支援相談窓口を配置して農家などからの相談を受けます。
  ウ 畜産経営技術の総合支援指導
   ・個別支援指導では経営診断改善指導,経営管理技術指導,フオローアップ指導,大家畜DB支援事業を実施します。
   ・地域支援指導としてセミナーなどを開催します。
   ・畜産基礎講座として,市町村,農協,関係機関等の畜産担当初任者を対象に,畜産関係施策,家畜疾病対策,環境保全対策,資金,経営対策について2回の開催を計画しています。
  エ 畜産経営関係情報の情報提供
    畜産協会のホームページの開設により,情報の公表を行います。
  オ 肉用牛繁殖経営の経営診断
    大型肉用牛繁殖経営の診断を行います。
 (2) ふれあい体験交流推進事業
   畜産物の生産現場や畜産の果たしている役割について,消費者や児童生徒の理解を促進し,都市と農村の交流を図るため,地域の教育機関等と連携して地域交流協議会を設置し,関係団体と連携協力のもと,食育や各種の畜産ふれあい体験活動と情報の提供を行います。
 (3) おかやまフォーベルネットの活動支援
   畜産に携わる女性の畜種を越えたネットワークづくりを支援します。
 (4) 畜産担い手確保対策事業
   新たな肉用牛農家の育成・確保を目指すため,定年退職者や他産業従事者を対象として,肉用牛飼養に必要な基礎知識や実際の肉用牛経営の内容を知る機会を提供するための初歩的な研修会を開催します。(肉用牛入門講座4回)
 (5) 肉用牛繁殖基盤強化総合対策事業
   肉用牛の増頭を図るため,酪農家も新たな肉用牛繁殖雌牛増頭の担い手と位置づけるとともに新規参入を促進し,雌牛の導入や器具機材の整備について支援します。
 (6) 肉用牛肥育経営安定対策事業
   肉用牛肥育経営の安定化と肉用牛生産基盤の拡大に資するため,あらかじめ個体登録され,出荷された肥育牛が,その四半期の推定所得が家族労働費を下回った場合,中央畜産会と生産者等で造成した基金を取崩し,肥育牛補てん金を交付します。
 (7) 死亡牛緊急処理円滑化施設整備事業
   死亡牛の円滑かつ適正な処理体制を緊急に構築するため,協議会を開催するとととに事業対象農家に輸送費,処理費の補助を行います。
 (8) 高病原性鳥インフルエンザ防疫強化緊急対策事業
   高病原性鳥インフルエンザに対する防疫体制の強化を図るため,野生動物等の防除に関する生産現地での研修会の開催,養鶏密集地帯等において共同で行う車両消毒やねずみ等の侵入防止対策の整備について支援します。
 (9) 肉用子牛生産者補給金制度
   この制度は,肉用子牛の価格が低落し,保証基準価格を下回った場合,生産者に対して生産者補給金を交付し,肉用子牛生の安定等を図ることを目的としています。

 (10) 子牛生産拡大奨励事業
   和牛子牛の全国平均価格が35万円を下回った場合,奨励金が交付される事業です。
(要件)
 ア 肉用子牛生産者であり,(社)岡山県畜産協会と「肉用子牛生産者補給金交付契約」を締結していること。
 イ 原則として,12月31日現在で前々年度と前年度を比較して繁殖雌牛飼養頭数を「維持」または「拡大」していること。
 ウ 生産された子牛は必ず個体登録を行うことと,繁殖雌牛管理台帳を整理保管しておくこと。