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〔技術のページ〕

平成19年度から始まる試験研究課題の紹介

岡山県総合畜産センター 経営開発部

 総合畜産センターでは,平成19年度から新たに2つの試験研究課題に取り組んでいきます。以下に各課題の概要を紹介します。

【研究内容】

1:機能性成分を生かしたジャージー生産物の付加価値向上技術の開発(H19〜21)

 蒜山地域において,生クリーム・バター等を製造した後に残る脱脂乳や淘汰される経産牛の有効利用が課題となっています。
 そこで,ジャージー種の生産物について,その特長を生かし消費者ニーズにあった新製品の開発を通じて,蒜山地域におけるジャージー酪農の6次産業化と生乳の消費拡大を推進していきます。
 1)ジャージー乳及びその脱脂乳には,たんぱく質やカルシウム等のミネラルが豊富に含まれています。そこで,その特長を生かして付加価値の高い,美味しいヨーグルトを開発します。

 (1) 成分を生かしたヨーグルトの開発

   ジャージー乳の特長を生かしたヨーグルトを開発するため,乳酸菌株を選定したり,製造方法を検討します。

 (2) 機能性成分(血圧上昇抑制ペプチド)産生能の高い乳酸菌の選定

   発酵食品(ヨーグルト等)には,たんぱく質が分解したペプチドが多く含まれています。ペプチドには,いろいろな機能性が知られており,その中に血圧上昇抑制効果があります。そこで,乳酸菌の中でも血圧上昇抑制効果のあるペプチド産生能の高い乳酸菌を選定し,その利用法を検討します。

試験研究のイメージ

 2)経産牛肉には,ヘム鉄(貧血防止機能),カルニチン(脂肪燃焼機能や抗疲労効果)等の機能性成分が多く含まれています。そこで,これらを生かした食肉製品を開発します。

 (1) 機能性成分(Lカルニチン)を生かした経産牛肉の付加価値向上技術

 食肉中の機能性成分(Lカルニチン)について,品種特性や飼養方法等による影響を検討します。

 (2) 経産牛肉を使った発酵食肉製品の開発

 発酵食肉製品に利用できる乳酸菌を選定するとともに,特に食肉中で血圧上昇抑制効果のあるペプチドを多く産生する乳酸菌を選定し,その利用法を検討します。

2:利用性の高い堆肥の供給体制の確立(H19〜20)

 現在流通している堆肥は,畜種や製造方法等によりその肥料成分が多様であり,耕種農家にとって安定的な肥培管理が難しく,また過剰施用等による土壌養分バランスの悪化も問題となっています。
 そこで,農業試験場と連携して,耕種農家のニーズに合った堆肥の生産技術と肥料成分等を簡易的に評価する手法を開発し,耕種農家が安心して利用できる堆肥の利用システムを確立します。

 (1) 県内で生産される畜種別堆肥の成分調査

 県内の主要な堆肥センタ−及び大規模畜産農家等で生産された堆肥について,季節的な成分変動を把握し,成分調整堆肥の製造及び施用時の基礎デ−タとします。

 (2) 成分調整堆肥の製造手法の検討

 各畜種(牛,豚,鶏)の堆肥を混合し耕種農家の使用目的や土壌条件にあった成分調整堆肥の製造やペレット化等の流通促進技術について検討します。

 以上,平成19年度から新規で実施する試験課題を紹介しましたが,このほかにも「健康で安全な生乳・豚肉・鶏肉生産技術の開発」「地域資源型TMRセンター構築による飼料自給率向上システムの確立」「ITを活用した発情検知システムの開発」などの生産現場に密着した課題も継続して実施します。
 これらの課題の成果にご期待下さい。