ホーム > 岡山畜産便り > 岡山畜産便り2007年7月号 > 〔家保のページ〕これでいいのか? 暑熱対策!? |
6月11日に気象庁から「ラニーニャ現象」が発生し,梅雨明けが早まって,猛暑の可能性が高いと発表がありました。
今年の夏は暑熱対策を今一度確認してみましょう!
A1 乳牛:25℃
豚 :26℃
鶏 :27℃
さて,この回答は正解でしょうか?
じつは,半分だけ正解です。暑熱を形成する要因は,温度だけではありません。
湿度も重要な要素です。
人の生活で使用されている不快指数と言われる温度湿度指数に相当するのが,熱量指数。
式 湿度(%)×温度=熱量指数
暑いからといってむやみに散水すると,畜舎内の湿度が上昇し,かえって熱量指数を上昇させることにつながります。
畜舎の構造,散水時刻など考慮し,適切な暑熱対策を実施しましょう!
スタミナ食を給餌する?
A2 ○
さて,これはどうでしょう?暑熱時は食餌量が低下しますから,良質な餌を給餌してあげるのはとても大切なことです。
では,どのような餌を給餌することが大切でしょうか?
その前にチェックしてみましょう!
□ 水はいつも冷たくて清潔な水を給水して
□ 給水量はいつも十分である
□ 餌はいつも朝早くか夜遅く多めにし,日中は出来るだけ少なめにしている
これら三つの項目の全てがチェックできたでしょうか?給水量と食餌量には密接なつながりがあります。
通常,夏場では餌の1.5倍の給水量,冬場で1.2倍の給水量が必要だと言われています。
まずは水のチェックから行ってみましょう!
それでも食餌量が少ない場合は?
@ 少量で高カロリーかつ良質な餌
A ミネラル補給
B 重炭酸ナトリウム0.2%〜0.3%添加
A3 まさか!
暑熱対策は他にもあります!
風
大型扇風機,ダクト送風機,スポットエアコン等を利用しましょう!
畜舎内に熱がこもらない様にしたり,畜体からの放熱を促進し,体感温度を下げる効果が期待できます。
日かげ
畜舎の立地によっては,真夏の日差しが畜舎内に差し込み,ことに西日は畜舎の奥の方まで差し込むことがあります。
夜間充分に畜舎内の熱を下げるためにも,西日を遮るためよしずや遮光ネットを利用し,出来るだけ日陰を多くするというのも効果的な方法です。
また,最近では屋根に塗布すると90%近く断熱するというペンキ塗料も発売されています。ただし幾分高価なので,石灰の塗布などで代用することもいいでしょう。
飼育密度の低減,清掃,消毒などの基本的なポイントも大切です。これらを怠ると,後に重大な疾病へつながる可能性もあることから,日頃から飼養衛生管理基準を遵守するよう心がけましょう!
1 畜舎や器具の清掃又は消毒の励行
2 畜舎出入り時の手指・作業着等の消毒
3 飼料や水への排泄物等の混入防止
4 導入家畜の健康観察等の実施
5 人や車両の出入り制限・消毒の実施
6 野生生物や害虫の侵入防止
7 出荷時における家畜の健康確認
8 異常家畜の早期発見・早期受診
9 過密な状態での家畜の飼養回避
10 家畜伝染病に関する知識の習得