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交雑種雌牛の活用による新たな肉用牛増頭対策について

岡山県農林水産部畜産課

肉用牛増頭の概要

 国は,肉用牛の生産基盤を強化し,牛肉の自給率向上を図るため,「食料・農業・農村基本計画」の生産努力目標並びに「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」及び「家畜改良増殖目標」において,平成27年度における肉用牛・牛肉の生産目標を定めているところです。これによると,今後10年かけて73万頭を増頭し,27年度における肉用牛の飼養頭数目標を348万頭に,また,肉専用種繁殖雌牛については,今後10年間で11万頭を増頭する目標を掲げており,特に今年度においては1万2千頭の増頭を目指して各種施策を展開しているところです。
 本県においても,「岡山県酪農及び肉用牛生産近代化計画」,及びこれに基づいた「岡山県肉用牛振興戦略」を策定し,平成21年度における繁殖雌牛の飼養頭数目標を5,567頭と定め,経営規模拡大や粗飼料自給率向上等による生産基盤の一層の強化を図るとともに,受精卵移植技術等の活用による和牛産子の効率的生産を推進する等,肉用牛繁殖経営の安定と拡大を中心とした振興対策を強力かつきめ細やかに進めているところです。
 この結果,繁殖雌牛の飼養頭数が平成17年度から増加に転じ,18年度には5,254頭(家保調べ)となり,平成10年度の水準まで回復しております。

新たな和牛増頭対策と新規事業

 近年の生乳生産調整の影響等による乳牛飼育頭数の減少は,乳雄・交雑種といった肉用素畜生産の減少に加え,これまで着実に生産頭数を伸ばしてきたET和牛の生産にも大きく影響することが懸念されます。
 このため,本県では,新たな和牛増頭手段を模索するため,従来肉資源のみに活用されていた交雑種雌牛に,ETを行い和牛を一産させた後に肥育する方式(一産取り肥育)のモデル経営の実践を推進する「おかやま和牛増頭モデル事業」を本年度新規に創設し,現在県内の複数の肉用牛経営において実施しているところです。本事業の内容は下記のとおりです。(イメージについては次項参照)
 農協等が管内の肉用牛農家等において前述のモデル経営を実践する場合に,

(1) モデル経営に供する交雑種雌牛の導入奨励金の交付
(2) モデル経営の調査経費の補助
(3) モデル経営の実践に必要な簡易施設の整備補助

モデル経営を成功させるために

 国や数県の畜産試験場等における交雑種一産取り肥育試験等の成果から,本経営方式が定着するためには,50%以上のET和牛生産率を確保し,一産後の肥育期間を9ヵ月程度とし,遅くとも33ヵ月齢までに終了することが肝要です。また,牛舎の利用性や作業性を考えると月齢の揃った雌牛を導入し,ETを一斉に実施する工夫も必要と考えられます。

 以上の条件を整えられる肉用牛経営の皆様には,新たな肉用牛増頭方式について是非チャレンジしてください。
 紙面の関係で概略の説明になっていますので,不明な点は最寄りの家畜保健衛生所にお尋ねください。