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〔装削蹄師会の声〕

「第13回岡山県牛削蹄競技大会」

岡山県装削蹄師会事務局

  今年で,13回目となる岡山県牛削蹄競技大会は平成19年7月14日(水)雨天の中,岡山県総合畜産センターを会場に開催されました。同センターにご協力いただき,ホルスタイン種成牛7頭を借りて選手13名が牛の削蹄に腕を競いました。
 競技は,牛削蹄判と削蹄の2種目により行われます。
 成績の序列は,最初の牛削蹄判競技により上位6名が選ばれ,この6名の内より削蹄種目での得点が高い順に序列が決まります。
 牛削蹄判断競技は,牛の蹄「ひづめ」の形やすり減り,病気等により,起立姿勢や蹄の形,歩様に異常がみられます。この異常を四肢について,専門用語で記入します。例えば,ヒトでの内股歩きの場合を「外弧歩様」,ツメが伸びている状態を「延蹄」と記入します。更に,この蹄をどのようにして適正するかを記入することが求められます。
通常の削蹄の場合は,瞬時に判断し削蹄を行いますが,この牛削蹄判競技の場合は1頭につき30分が割り当てられ,削蹄に当たって重要な部分となっていますが,………頭に描いた蹄の修正を,文字へ変換することが求められ,ベテランの削蹄師も苦戦を強いられます。
 今回の競技大会には,全国大会出場経験の選手が4名(内,オープン参加2名)出場されていましたが,最高得点で76点とハイレベルを要求された審査が行われていました。
続いて,削蹄競技が行われ4肢中2肢を持ち時間25分間で削蹄します。
 選手らは,肢を抱え上げ,硬く石のようになった蹄をガスバーナーの炎により軟らかくし,素早く慎重に,削蹄鎌を操って削っていました。(息を止めて削っているのか,息を吐いているのか分からないほど慎重に,精神を集中させていました。)
 競技開始直後より非協力的な牛により選手たちは,たちまち額より汗が噴出し,作業着に汗がにじんでいました。牛も心得たもので選手の持ち上げている肢に体重を移動して,さすがに選手も支えきれず,削蹄中の肢を下ろす場面もみられました。選手は休むことなく鎌をナタに持ち替えて蹄の先端や側面を削り,更に肢を抱え上げ蹄を鎌により調整し続けていました。残り時間を気にしながら時間配分し,最後にヤスリ掛けを丁寧に行って終了しました。
 牛達もやっと終わったと安堵したのか,蹄が正常となり気持ちいいのか,いつもの落ち着いた牛に変身していました。
 削蹄競技の終了と共に審査が始まります。
 日本装蹄師会の服部課長を審査員長に向かえ削蹄状態を審査するため1肢づつ持ち上げ負面(蹄の裏側で床と接する面)について詳細な審査が行われました。
 審査委員長より5選手が行った削蹄の一部に過削が認められたため注意がありました。
 1位の丸島 毅さんと2位の平井計行さんは,広島県で開催される中国四国削蹄競技大会(9月20日開催)に出場されます。
 本競技会開催につきましては,岡山県総合畜産センターをはじめ関係各位の皆様の御蔭を持ちまして無事終了することができました。大変有難うございました。