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「千屋牛」地域ブランドに認定!

備中県民局新見支局畜産班

1 はじめに
 「新見市と言えば千屋牛!」と言わんばかりに,新見支局(旧阿新振興局)の記事は「千屋牛」についてばかり…。
 何か話題はないかと考えまして,今回のお話は…やっぱり「千屋牛」です。おかやま畜産便り平成12年7月号に「千屋牛のブランド化に向けて」と記事がでていましたが,本当に「千屋牛」が平成19年5月に「地域団体商標(地域ブランド)」に認定され,ブランド牛肉の第1歩を踏み出しました。

2 地域団体商標(地域ブランド)って?
 ブランド化,ブランド化って,そもそも地域団体商標とはなんでしょうか? 
 従来の商標法では地域名と商品名からなる商標は,特別な場合を除き,商標登録ができませんでした。しかし,平成18年4月の商標法改正により地域活性化のため基準が緩和され,一定の要件を満たす場合,地域名+商品名で商標登録が可能になりました。この商標が地域団体商標(地域ブランド)です。
 地域団体商標の取得により,全国への知名度の拡大や地域の活性化,地域の特産品の保護を進めることが出来るようになります。
 平成19年8月現在,全国で出願されている地域団体商標は739件,そのうち認定されたものは268件です。岡山県内では岡山白桃と千屋牛の2件が認定されています。

3 地域ブランドとしての千屋牛
 「千屋牛」は日本最古の蔓牛と言われる「竹の谷蔓牛」をもとに改良増殖が進められ,「良牛の産地:千屋」の牛として名を馳せてきました。
 現在「千屋牛」は新見市内で5つのコンセプト(@優良和牛,A健康牛,B安全牛,C安心牛,D信頼牛)のもとに生産・出荷されています。

4 おわりに:今後の千屋牛
 「千屋牛」が地域団体商標を取得しましたが,地域団体商標は毎週のように認定数を増加しています。その中には他の地域の肉用牛の名称(例えば神戸牛)もあります。そのため,地元新見での取扱いの拡大はもとより,より全国へ知名度を拡大させ,指定店舗制度などにより,地域ブランド「千屋牛」の適切な名称使用と流通網の確保が必要です。
 これらの対策を講じながら,増加する牛肉の需要に対応する必要があります。現在,新見市では千屋牛1000頭増頭計画を樹立し,市内各地の牧場の整備を進めています。また,新見地域は今年10月に開催される全共に岡山県代表として多数の牛を出品しており,ここでの上位入賞とともに,地域団体商標取得を機に新見地域の活性化に繋げていきたいと関係者は期待しています。