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家畜の飼養衛生管理基準について

高梁家畜保健衛生所

 平成15年,牛海綿状脳症(BSE)の発生などをきっかけとして,国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下,食品基本法が制定されました。
 食品の生産現場では,農林水産省令により家畜の飼養衛生管理基準が定められました。日常当たり前に行っている衛生管理が,食の安全性確保,国民の健康保護のため,家畜の所有者に対して与えられた責任であり義務であることを十分認識し,衛生管理を行って下さい。

 ★家畜の飼養衛生管理基準【10項目】

1.畜舎及び器具の清掃又は消毒を定期的に行うとともに,家畜及び作業衣,作業靴等を清潔に保つこと。

●目的:飼養環境中の病原体の家畜への感染を遮断!
●定期的に十分な清掃・洗浄を行いましょう。

2.畜舎に出入りする場合には,手指,作業衣,作業靴等について,家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するために必要な消毒その他の措置をとること。

●目的:人の移動による病原体の家畜への感染を遮断!
●「その他の措置」としては,作業衣やブーツカバーの交換,使い捨てが考えられます。また,徹底した洗浄は消毒に近い効果が得られます。

3.飼料及び水に家畜及びねずみ,野鳥等の野生動物の排せつ物等が混入しないように努めること。

●目的:家畜や野生動物の排せつ物等に含まれる病原体の家畜への感染を遮断!

4.他の農場等から家畜を導入する場合には,当該家畜を導入することにより家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するため,当該家畜に異常がないことを確認するまでの間他の家畜と接触させないようにすること。

●目的:伝染病に感染した家畜の導入による,病原体の侵入・まん延防止!
●公共・預託牧場から戻って来る場合も同じで,期間は「自主的な検査の結果が出るまで」,「何日間」など一定の期間を設定して下さい。
●ワクチンのある伝染病は,在来家畜に接種しておくことも予防策の一つです。

5.他の農場等に立ち入った者がみだりに畜舎に立ち入らないようにするとともに,他の農場等に立ち入った車両が農場に出入りする場合には,当該車両の消毒に努めること。

●目的:人や車輌を介しての伝染病の病原体の侵入・まん延防止!
●車両の通り道,停車位置を一定化して,石灰を散布して石灰帯を設けるのも一つの方法と考えられます。

6.畜舎の屋根又は壁面に破損がある場合は,遅滞なく修繕を行うとともに,窓,出入口等の開口部にネットその他の設備を設けることにより,ねずみ,野鳥等の野生動物及びはえ,蚊等の害虫の侵入の防止に努め,必要に応じて駆除すること。

●目的:野生動物や害虫を介しての伝染病の病原体の侵入・まん延防止!
●犬や猫(飼い,野良)なども,病原体を介す原因となる場合もあります。また,食品衛生の観点からも,繋留したり,寄せ付けないなど,畜舎,処理室内への出入りの制限に努めて下さい。

7.家畜を他の農場等に出荷する場合には,当該家畜が移動することにより家畜の伝染性疾病の病原体がひろがるのを防止するため,当該家畜の健康状態を確認すること。

●目的:伝染病に感染した家畜の移動に伴う伝染病の拡大防止!
●移動は他の農場,と畜場や家畜市場など生体での移動全てをいいます。
●「健康状態の確認」とは,普段の状態と比べて,異常がないかどうか確認することです。異常を発見した場合は,かかりつけの獣医師または,最寄りの家畜保健衛生所に連絡して下さい。
●自分の農場における家畜の伝染病の有無の把握,牛や生産物の付加価値向上の観点からも,積極的な検査に努めて下さい。

8.家畜の異常をできるだけ早期に発見することができるよう,家畜の健康管理に努め,異常が認められた場合その他必要な場合には,獣医師の診療を受け,又は指導を求めること。

●目的:早期発見・対応による家畜の健康回復と維持,拡大とまん延防止!
●異常を認めた場合,そのまま放置しておくと言うようなことのないようにしてください。

9.家畜の健康に悪影響を及ぼすような過密な状況で家畜を飼養しないこと。

●目的:過密ストレスによる免疫機能の低下,接触機会の増加による伝染病の発生・まん延防止!
●一定の飼養密度を定めてそれを推奨するものではなく,過密が原因と思われる呼吸器病などが多発しないように飼養しているかと言うことを意味しています。

10.家畜の伝染性疾病の発生の予防に関する知識の習得に努めること。

●目的:家畜の飼養者の方が,家畜の伝染病の予防に関する知識の積極的な習得に努めることにより,衛生管理の向上を図る!
●家畜保健衛生所からも,これらに関する情報の発信に努めて参ります。

 以上10項目について留意し,農場で実施した作業の記録・保管を行い,安全で安心な食品の生産を目指しましょう。