ホーム岡山畜産便り岡山畜産便り2007年10月号 >フォーベルネット会員 山中秀子

〔畜産農家の声〕

フォーベルネット会員 山中秀子

(備中県民局井笠支局畜産班)

 平成7年に兵庫県明石市から笠岡湾干拓地へ入植しました。牛達との引越しが,阪神・淡路大震災の翌日で,道中大渋滞に巻き込まれ大変な目に遭った事は今も忘れられません。あれから13年となり,家族も私達夫婦,息子夫婦,孫3人と増え,悩みながらの入植も今では良かったと思っております。
 明石から経産牛,育成牛合わせて90頭移動し,北海道からの導入もあり,現在経産牛250頭,育成牛180頭を飼養しています。牛舎はフリーストールで搾乳は8頭Wのパーラーです。
 雇用も法人にして労働者の厚生年金等,福祉を整え,正社員6人,パート4人,家族4人で農場の仕事に携わっております。誰もがどの作業でも出来るように指導しながら,観察力をつけて,健康な牛で繁殖も良く,良いミルクをより多く搾りたいと頑張っております。また,カウコンフォートのためにもいろいろな工夫を考えています。
 飼料も高騰する中,干拓コントラを立ち上げた時,コントラの一員となり飼料用トウモロコシを2期作栽培し,サイレージにして,コスト削減を図っています。リサイクルでたい肥の処理ができ,それがトウモロコシとなって返ってくるのです。戻したい肥をベットへ使用したりで,たい肥が足りないくらいです。また,アメリカへ一年分のルーサンの買付けに行き,現地で確かめて決めるので品質も安定したものが入るのもメリットです。
 私は哺乳子牛と環境美化を主に担当しています。常に40頭から50頭を哺乳しております。下痢をさせず順調に成長した子牛を市場に出荷します。高値がついた時の喜びや,メスが生まれたときなど,もっと頑張ろうと作業に励んでいます。より良い遺伝子の導入と防疫を考え,自家育成牛で後継牛を確保するのが目標です。
 環境美化ですが,ニュージーランドへ組合から研修に行かせて頂いた時,壮大な緑の大地!! 驚きと共に緑と花のある牧場にしたいと思い,花壇を作り,芝を張ったり木や花を植えるようにしています。桜の木も道路側に100m植えることができ,これからもまだ増やす予定です。来年のお花見が楽しみです。

 入植して10年が過ぎた頃から私達夫婦にも余暇を楽しむことが出来るようになりました。スイミング,旅行,登山,お寺巡りと,私は別にパン・ケーキ教室にも行かせてもらってます。スイミングで鍛えた足腰で登山も楽しめるようになり,富士山を初め百名山の登破を目指して現在挑戦中です。そしていろんな分野のお友達が沢山でき,それが‘私宝’です。こうして旅行などに行けるのも健康でなければ出来ないことで,この年齢になると健康のありがたさを感じます。それも息子夫婦,従業員のみんなが頑張ってくれるおかげです。
 数年前から干拓婦人部にも参加できるようになり,仲間が増えたし,また一つ交流の場ができました,フォーベルネットです。参加して楽しみ,多くの仲間からも何かを吸収したいと思います。体に気をつけて何歳まで頑張れるか,仕事,余暇を楽しみたいと思っております。