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新年のごあいさつ

 社団法人 岡山県畜産会  
会長 渡 邉 明 喜   

  新年おめでとうございます。
 昨年は,春先きの天候不順や,長引く景気の低迷,加えて,予想もしなかった阪神大震災の発生による各分野への影響が,ことのほか,大きく,畜産物の消費にも,大きな陰を落とし,産地間競争の激化と相まって,畜産農家の皆様にとっては,依然として,ご苦労の多い年であったと思います。
 こうした状況のなかで,21世紀をめざした農業のビジョンづくりが,模索されていますが,国際化・情報化・高齢化時代への対応を基本に,消費者との連携強化や,異業種との交流促進,ニューファーマーズ等意欲ある担い手の安定確保等による新しい農業・畜産の展開と,経営体質の強化を求める声が高まってきています。
 近年,畜産物の関税引き下げ等による影響から,牛肉など,畜産物の輸入が急増し,国内生産の減退が目立っていますが,中・長期的な,食糧需給動向などをふまえ,意欲ある中核農家の育成と,地域の特性を活かした高品質・高付加価値農業の展開に,関係者の英知と総力を結集し,新年を21世紀をめざしての転機の年としなければなりません。
 本会では,岡山県の畜産を担って行くべき経営者の育成とモデル経営体の確立・普及をめざし,各地域の指導機関と連携を深めながら,経営者の側面的な支援活動に積極的に取り組んでいますが,やはり,経営者自らの,生産にかかるデータ分析や経営改善への積極的な取り組みが基本とならなければならないのは当然であります。
 最近,全国ネットを利用した出荷成績などの解析,これに基づく経営の見直しが行われるようになり,その評価が高まってきていますが,本会では,全国的な情報センターや,経営感覚に優れた生産性の高い経営体等と連携し,県内における畜産の情報発信基地としての役割と機能を発揮できる体制づくりに,鋭意取り組んで参りたいと考えています。
 昨年,千葉市で開催された第10回全日本ホルスタイン共進会では,優等賞を獲得するなど次回の飛躍をめざすにふさわしい立派な成績を挙げることができましたが,次回,平成12年に,岡山で開催が決定しています。生産性向上のための,乳用牛改良の成果を競い合い将来の指針づくりをめざすにとどまらず,新しい時代に向けて,消費者との連携を強めながら,国内はもとより,国際色豊かな,岡山ならではの,農業・畜産の祭典となるような,官民あげての,積極的な取り組みが切望されます。
 畜産をめぐる情勢には,今後,予断を許さないものがありますが,最近,畜産・酪農に参画したい希望を持つ若者達も少なくありません。  昨年11月に,中国四国酪農大学校と南オーストラリア洲オンカパリンガ学院との姉妹縁組も実現し,国際化時代にふさわしい,体制づくりが進むなど大きな転機の年を迎えました。こうした若者達を中心にした生産性の高いモデル経営体創造への支援活動を中心に,役職員一同,会員各位や畜産関係者の皆様のご支援を賜りながら,更に研鑽・努力して参りますので,今年も,どうぞよろしくお願いいたします。畜産関係者の皆さんのご健勝と,ご発展を祈念申し上げ,年頭のご挨拶とさせていただきます。