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新装なった工場でより消費拡大を 目指して

 JA岡山経済連 畜産部 ミートセンター
安 部 敏 之   

 新年あけましておめでとうございます。
 私達,JA岡山経済連ミートセンターの新年にかける抱負は,産地と食卓を直結し,より品質の高い食肉の創造です。
 消費者の多様なニーズ,そしてより付加価値の高い商品の製造をおこなうため,当センターでは平成5年10月より,2段階に分けて施設の増改築工事を実施いたしました。
 1期工事では,これまで倉庫だったスペースを改装し,量販店向けの製品の製造・包装値付け・仕向け等をおこなう,アウトパック作業場を新設いたしました。  また,2期工事では牛・豚枝肉のカット場の拡張と,作業段階ごとに各部屋を仕切り,入室の際には体に付着した毛髪・ゴミ等を除去するためのエアーシャワー室を設けるなどの工夫をしております。
 さらに,天井や壁材には冷蔵庫と同様の材質のものを使用し,温度・湿度管理の徹底を図ったほか,場内全域にオゾン発生装置を設置・場内の殺菌・消毒をするなど,製品の品質・衛生管理に万全を期すべく改造をおこない,昨年5月末に完成いたしました。
 現在,当センターでは,「おかやま和牛肉」「おかやまポーク」の銘柄食肉をはじめ,県内産の牛・豚の部分肉の生産と,日産1万パックのパック肉の加工をしており,県下のAコープ店,生協,量販店,専門店および県外のメーカー等へ出荷をしております。
 また,香港への牛肉の輸出も6年目を迎え,当初はステーキ用のサーロイン中心の取引きでしたが,現在ではスキヤキや,シャブシャブ用のリブロース等も輸出するようになり,量的に大幅に増加しております。
 飽食の時代,あふれんばかりの輸入食料品の増大,すさまじいばかりの価格破壊と非常に厳しい情勢が続いていますが,昨年あたりからは「リーズナブル」と言う言葉も流行っています。
 消費者は真に価値あるものには,その価値に見合うお金をかける,賢い選択をおこなうようになっています。
 輸入牛肉も一時の勢いは薄れ,量販店においても和牛肉を中心とした国産牛肉の品揃えにシフトしてきております。(料理・調理の用途に合った牛肉の選択)
 今年は,よりこの傾向が強くなるように思われます。(但し,市況の見通しについては?)
 消費者の求めるリーズナブルとは,安全・安心・新鮮・美味・そして適正な価格(これが非常に難しい)ではないでしょうか。
 今後,より一層県産食肉の消費拡大が図られるよう,リーズナブルを求め,産地と消費者を結ぶ「かけ橋」になるべく努めてまいります。
 どうか,今後とも皆様方のご指導のほどをよろしくお願い申し上げます。