ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り1996年1月号 > 岡山西南家畜診療所

家畜診療日記

岡山西南家畜診療所

主幹 酒 井 敬 二

 共済連家畜診療所に勤務し早いもので18年目となりました。初めての勤務地は津山家畜診療所で,ここを皮切りに県内5ケ所を転勤し,2年前に実家に戻り出勤の毎日です。勤務地に住所を置き現地赴任していましたが子供達が成長し,学校や将来の事を考えるとこの辺で落ち着かなければと思い実家に戻りました。県内いろいろ住んで見ると様々な思い出が残り懐かしくなり,時に妻や子供達とあの人達は元気であろうかなどと話しています。そして時に遊びに行ったり来たりと当時のままの交友も多数出来ました。私も多数の農家の方と接する事が出来き,様々な面で人と接する事の難しさも味わいながら診療業務に携わって来ました。現在も診療を続ける毎日です。
 最近,牛肉の輸入自由化に伴い農家においては老牛の価格が下落し,より一層の経営努力を図らないと生き残りが難しい時代になっています。私は,酪農家とは経営者であり利潤の追求をしなければならない専門的職業であり,牛飼いは誰にでも出来るが酪農家は誰にでも出来ないと言われるほど奥の深い職業だと思っています。今では乳量1万sを越える乳牛も出現し,更に高度な技術的知識や飼養管理が必要となって来ています。私も獣医としての専門的職業であり,牛の疾病の予防・治療と技術の向上を日々錬磨しなければと改めて認識する次第です。
 昨年の夏も熱射病で死亡,廃用になった乳牛は私の診療畜でも多発しました。その牛達に共通していたのは過肥牛であり,関節炎を併発しており産後の牛でした。全国的にも事故が多発しています。事故低減の為に全国の共済診療所では除々に検診車を導入し巡回指導を実施し損害防止に役立ようとしているところです。共済連においても検診車が導入され1頭1頭の健康状態を血液検査や,飼料給与の面から検討しデータを分析して指導しています。検診車に塔載されている器具,機械はコンピューターにより情報がすばやく処理されます。
 最近では畜産農家でもパソコンを導入し個体管理に活用しているのが見受けられます。当診療所でも月末に提出書類を作製するのに手書きで行っていると後輩獣医師はパソコンに入力した資料をボタン1つの操作でプリンターから書類を打ち出しています。それを横目で見ながら,又,パソコン専門用語を聞くにつれ操作しているのを見て今やパソコンの時代かと身近に感じられます。その内,家畜の疾病も機械により病変部を探知し,診療方法から薬剤の選択まで更には,手術も実施してくれて治癒可能かどうかも判定してくれる時代になるかも………などに空想するのもあながち夢物語ではないかも知れません。それはさておき,畜産の分野でも財務管理,繁殖管理,飼養管理等の日常の仕事をパソコンの力を借りる事で,又,診療所でも臨床検査のデータ分析等に利用する事によって能率アップすることは間違いなく私達の職域でも益々利用よ頻度は高くなると思います。私もパソコン嫌悪ではなく,まだ必要にせまられていないと言った方が現状だと思いますが今年は少しでもパソコンと友達になれるよう頑張ってみたいと思っています。