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婦人の力で活力アップ

東備地方酪農経営主婦の会

 東備地方酪農経営主婦の会は昭和54年東備管内全域の酪農家の婦人で結成し,婦人の立場からの経営改善や地域活動,及びボランティア活動を行っています。
 現在,東備管内では酪農家戸数が20戸と年々減少の一途をたどっていますが,そのなかで,酪農に従事する主婦11名で組織されています。
 活動の主な内容は,酪農でおもに婦人が担う生産環境の改善,牛乳の加工料理の研究,最近ではパソコンを活用した経営簿記記帳に取り組んでいます。
 今年度は環境改善の研究として,先進事例である笠岡湾干拓地を訪問し,牛舎周辺の美化活動を視察するとともに,地元婦人グループとの意見交換を行いました。
 牛乳料理研究は,毎年各農家を互いに訪問し合うなかでそれぞれの農家で料理を披露してはグループ員相互の親睦も深めています。
 簿記の記帳は,税金の青色申告に伴い各農家で取り組まれてきましたが,以前から独学でパソコンを活用して省力化している農家が先生となっての簿記記帳勉強会も取り組まれ,今後は経営の自己分析ができるまでになることが目標となっています。
 また,主婦の会では毎年東備管内で開催される婦人の日のつどいでの作業改善事例等の発表にも積極的に参加しています。
 この会のもう一つの特徴はボランティア活動として,地域内の老人ホームに牛乳で作ったお菓子等を持参して,ホームのヘルパーのお手伝いや老人の介護の実習を通じて慰問を行っていることです。
 このような普段はあまり外に出かけることの少ない酪農家の主婦の立場でできる経営改善や地域活動に取り組んできましたが,この会も次第に高齢化し,世代もお嫁さんの代に移行しつつある現在,世代を越えての活動を新たな課題としてこれからも頑張ってもらいたいものです。