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(特集)1

地域農業の担い手育成が着々と進展

〜認定農業者制度について〜

岡山県農林部新農業推進室

 近年の農業・農村を取り巻く情勢は,耕作放棄地の増加など農地が荒廃化する一方で,新規就農者の激減や農業従事者の高齢化の進行など,農業の担い手不足が深刻な問題となっており,地域社会を維持することが困難な農村地域も発生しはじめています。

 こうした中,国が示した「新政策」では,農業を職業として選択し得る魅力的な産業として確立するための構造改革と併せ,@農畜産物の生産者から経営者への転換 A市場原理・競争原理の導入によるコスト意識の醸成 B企業的経営感覚にあふれた経営者の育成(農業の法人化)など,担い手の意識改革を促進しながら,効率的で安定的な農業経営の実現を図ることとされています。

 県では「21世紀おかやま農業経営基本指針」を策定し,他産業従事者と遜色のない所得と労働時間の実現をめざす一方,地域農業の担い手としての認定農業者の育成を本県農林行政の重点課題として取り組んでいるところですが,この認定農業者が今,着実に増加しています。

 認定農業者制度は,自らの経営を計画的に改善しようとする意欲ある農業者を,地域における将来にわたる担い手として市町村が認定し,これらの認定農業者の経営改善計画が円滑に達成されるよう,さまざまな支援措置によって重点的に応援していこうとするものです。

 既に認定されている認定農業者の中には,農業委員会から農地の斡旋を受けて経営規模の拡大を達成したり,長期低利のスーパーL資金の活用で機械化の促進や生産方式の合理化を図るケース,更には,簿記記帳・税務・法人化などをテーマとした各種の経営研修会を通じた経営管理能力の向上など,支援措置を有効に活用して経営改善に役立てている事例が多数出現しています。

 制度上の支援措置のほかにも,基盤整備,設備機械の導入事業やリース事業の一部では,認定農業者を対象とした新たな事業が創設されはじめており,今後の補助体系や資金体系は意欲ある認定農業者への重点投下型に移行することが想定されています。

 畜産経営は今,ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意による厳しい国際競争下にあるとともに,国内的には産地間競争の激化が予想されるなど,徹底したコストの低減による合理的・効率的な経営を迫られていますが,こうした状況に対応するためには,更に一層の経営改善の自助努力はもとより,認定農業者制度の活用を通じた経営改善対策が有効な手法と考えられます。

 畜産農家の皆さんは地域農業の重要な担い手として,また,リーダー役として,積極的な活動をされているところですが,今後とも地域社会の中でその重要性はますます高まるものと思われます。

 この認定農業者制度を土台として,畜産経営が地域農業のモデルとして確立され,効率的かつ安定的な経営の実現により,畜産経営の安定的な発展が図られることを期待しております。

1.認定農業者制度創設の背景

●減少を続ける農業の担い手

  農業就業者の減少

  農業就業者の高齢化

  新規農業者の激減

●耕作放棄地等の増加

  深刻な農業の担い手不足

  日本農業が内側から崩壊する危機

どうする日本農業

●急がれる担い手の育成・確保

●魅力ある産業への転換

認定農業者制度

●プロの経営を目指す意欲ある農業者を重点的に支援

●このような者が農業生産の相当部分を占める農業構造への転換

 現在の農業構造は大きな転換期にあり,農業従事者の高齢化や兼業化の進行により,農業の担い手が極端に少なくなっています。

 このままでは,地域農業の維持が困難になりつつあるのはもちろん,日本の農業の生産力,食料供給力の維持も危惧される状況にあります。

 農業が担い手不足によって,内側から崩壊するのを防ぎ,発展させていくための担い手の育成確保と,農業を職業として魅力ある産業構造(他産業並の労働時間・所得水準の確保)への転換が急務となっています。

 認定農業者制度は,市町村が策定した基本構想で示された農業経営の目標に向けて,自らの創意工夫に基づき農業経営の改善を計画的に進めようとする者を市町村が地域における将来にわたる農業経営の担い手として認定し,これらの認定農業者に対して支援措置を重点的に講じていくものです。

2.農業経営改善計画認定制度の仕組み

3.認定農業者の認定動向

4.認定農業者の支援措置概要