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狂牛病について

 最近,人への感染が取りざたされ,英国を中心に大きな社会問題となっている「狂牛病」について,その概要をお知らせします。

1.報道要旨

 1986年に英国で初発例が報告された狂牛病は,当時から,人に脳障害を引き起こす「クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)」との関連性を指摘する見解もあったが,英国政府は,これまで「人と病気との関連性はないだろう。」という見解を示していたものを今回「感染を否定し得ない。」という見解に改めたため,英国をはじめ,EUを中心に,牛肉への不安が一気に広がり,「狂牛病パニック」に見舞われている。

2.狂牛病とは

 病牛の脳細胞が海綿状となることから牛海綿状脳症との病名で呼ばれており,原因はウイルスに類似した蛋白体(プリオン)と考えられている。
 感染した牛は,2年以上の長い潜伏期間の後,行動異常,運動失調などの神経病状を呈し,発病後2週間から6カ月の経過で死亡する。

3.我が国の輸入に関する措置について

 また,英国からの牛肉の輸入は,以前から禁止している他,生体牛についても,英国で初めて狂牛病が確認された(1986年)以降,輸入禁止措置を講じている。
 なお,日本での発生はない。