岡山畜産便り96年5・6月号 今,農業の時代が来た

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「声」

今,農業の時代が来た

岡山市下足守387 安 富 聖 二

 先日,同窓会を行いました。現在は取り壊されて残っていない中学校跡地で,卒業以来実に31年振りでした。卒業生110名中50名の出席で,男女約半々,女性同志は顔を会わせると「ワー ○○ちゃん なつかしいー」気分は中学生 昔のまんま……。先生も3名共お元気で御出席頂きました。私達の小さい頃はといえば車がめずらしい時代で,東京オリンピックの頃から各家庭に電気製品が普及し始めたばかりでした。それがふと気が付くと家には車が数台,各部屋にはテレビ,電話が有り又パソコン有りと,40数年の間に考えもつかないほどの変化を遂げ,何もかもが便利になりました。
 そうしたなか,農業はといえば,時代のひのき舞台からすみっこに追いやられ,邪魔物扱いされて来ました(同級生の内農業専業は私を含めて2人だけ)。それが最近少し変わって来ています。
 私は酪農を業としていますが,糞尿の処理方法はバークを利用しバーク堆肥として販売しています。かれこれ15年くらい続けているでしょうか。当初はなかなか売れず,頭を抱えておりましたが,最近では堆肥が足らない様な状態です。というのも家庭菜園をされる人の利用が増えてきたためで,日曜日とか祭日には朝早くから堆肥を下さいと,我が家を訪れ,自分で袋に詰め,畑に直行,一日楽しむ,このような方が増えました。
 此を逃す手は無い! 貸し農園よし,オーナー制牧場よし,回りを見渡せば,老人ホームが至る所に! これも利用出来る。老人ホームの送迎バスで農園に行き,編物やおしゃべりをするのと同じ様に野菜の世話をする。考えかた一つで大きく発展するのでは……。
 また,私の所では,毎年春の連休に焼き肉パーティーをします。牧場内の広場で約300名の消費者が我が家の還元肉に舌つづみを打ち,馬に乗り,牛乳 ヨーグルト おむすび等を食べて一日楽しみます。
 此ももう一押し考えれば大きな展開が見られるのでは……。ログハウス,加工,生乳処理,体験施設等々。これはほんの一例で10人居れば10とおりの方法,取組が出来,発想ひとつで色々と展開して行きます。
 いまはアウトドアーが時代の主流で,その受皿として農業が持っている物(環境)は値千金とも言えます。冒頭触れましたが,これまでは同級生が,農業後継者が,どんどん都会に出て行ってしまいました。勉強の良く出来る子は外に出,今一つ出来の悪い子は農家を継ぐ,これでは農業の発展はありません。
 今日から農業経営者は一番出来の良い子を,発想の豊かな子を後継者として育てようではありませんか。値千金の環境の中で,発想豊かに楽しい農業,楽しい酪農に取り組んでみましょう。