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家畜共済加入者へのご案内(大家畜について)

岡山県農業共済組合連合会

 家畜共済は,農家の相互扶助をもとに国が災害対策の一環として制度化したもので,農家の助け合いの精神を基本として成り立っている制度です。政策的な制度ですから,農家の掛金負担を軽くするため国が大きな国庫負担をしています。また,家畜共済事業を行うには,事務の経費も必要ですがその大部分を国が負担しています。これらのおかげで,少ない農家掛金で,家畜が病気した時に一定の限度で治療費が補てんされたり,家畜が共済事故で死亡または廃用になった時の損害が共済金として補てんされています。このようなことから,農家が制度の成り立ちを理解して自らが制度を維持するようにしていくことが必要です。このたび,制度の運用について「家畜の価額の評価方法」と「共済事故の免責適用の取り扱い方法」を取り決めて家畜共済事業を実施することになりましたので,よろしくお願いいたします。

1.家畜の価額の評価方法

 平成8年度の加入時点から家畜市場取り引き価格を参考として,月令による減価を考慮したものにいたします。実際の加入家畜の評価は,次の方法によって農業共済組合等(農業共済組合または市町村)の家畜共済係または,農業共済組合連合会家畜診療所の獣医師が行います。

(1)乳牛の雌

 @ホルスタイン種・ジャージー種・その他の乳用種のように種類に分けて評価します。A成乳牛と育成牛に分けて評価します。B各々の牛は,月令により評価します。C24カ月令から35カ月令を最高の資産価値とみて71カ月令まで減価償却し,72カ月令以上は減価償却しない評価をします。

(2)肥 育 牛

 @黒毛和種・交雑種(F1)・ホルスタイン種,さらに経産牛肥育の黒毛和種・ホルスタイン種のように種類に分けて評価します。A雌牛と去勢牛のように性別に分けて評価します。B産歴のない肥育牛は,種類別,性別ごとの均衡が取れた価額で評価します。C経産牛の肥育牛は,年令別,種類別,性別に分けて評価します。

(3)特定肉用牛等

 @成牛・仔牛・胎児に分けて評価します。A各々の牛は,月令により評価します。B24カ月令から35カ月令を最高の資産価値として83カ月令まで減価償却し,84カ月令以上は減価償却しない評価をします。C胎児は,母牛の20%で評価します。

2.共済事故の免責適用の取り扱い方法

 加入者が通常すべき牛の管理や損害防止の義務を怠ると死亡廃用事故共済金の一部または全額が免責される場合があります。死亡廃用事故共済金の免責を適用する場合には,農業共済組合等(農業共済組合または市町村)損害評価会の家畜死亡廃用事故審議員に諮り十分協議したうえで決定されますが,免責適用審議を受けないように加入者としての義務を十分に果たしてください。
農家  私は,家畜飼養者として通常しなくてはならない牛の管理やその他の損害防止を怠りません。
農家  私は,家畜共済加入者としての義務を果たしているし,農業共済組合等の指導にも従っているので共済金の免責なんか関係ありません。