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「声」

公共育成牧場運営と今後の課題

社団法人矢掛町畜産公社  
牧場長 岡 田 志久夫

 畜産物の関税引下げ,牛肉,農産物の輸入自由化,乳価引下げ,飼料価格の上昇と国内畜産経営を大きく左右して,益々経営の悪化を来たしている中で,公共牧場の殆んどがその影響を受けて,既に経営の前途が危うくなっている処さえ出来ている現状にある。
 こうした中にあって当牧場においては,飼養頭数,乳用預託牛225頭,公社買取乳用牛55頭,肉用繁殖牛45頭,子牛15頭の計340頭〜350頭の常時飼養で,今後職員の努力による一層の技術向上と合わせ育成技術の向上をはかり,放牧牛DGを常に舎飼の発育標準以上とし,授胎率100%とすることが大切であろう,そうして預託者及び関係機関の交流を深めて畜産農家の信頼に応え得る育成とE丁利用の拡大による乳肉用牛の超優良牛を安価に後継牛として供給し,畜産農家経営の一助に向けて一層の努力をしなければならない。
 また広大な自然環境を利用した緑豊かな資源の活用による多目的利用をもつ広場施設の建設により,牛や小動物を見学して花を眺め緑の中で野鳥を観察し,農業を体験して,野外でレクレーションを家族で楽しみ,又老齢化の進む中で老人の憩の場として広く町民の利用が出来得る事がこれからの新しい山村振興と併せた牧場開発とすることが大切ではなかろうか。
 又都会との交流を深めて農村の一層の発展を心掛けねばなるまい。こうした事から当町として平成7年度国の山村事業を取り入れた牧場中心とした開発を計画して国の認可を受けて本年度においてビジョンを作成して平成9年度より其の事業の実施を見ることに至った。
 これら不足の事業については今後牧場ふれ合い事業を追加して完成させねばならないであろう。
 こうして広く一般町民及び近隣の人に開放し国営干拓地の牧草の利用と市外地周辺の美化を併せた河川敷10ゥの牧草生産も飼料自給率の向上に見逃せない経営の改善策であろう。
 又今後酪農家の牛群の改良と併せE丁利用の拡大による優良後継牛の供給,肥育農家への素牛供給と初期育成の濃厚飼料の軽減による出荷体重の増大と搾乳量の向上となるよう供給することが特に公共牧場の今後の役割であろう,そうして畜産農家の信頼を深め預託頭数の増加を計ると共に町民の一層の理解を得る様計画努力することが今後の公共牧場の運営として大切ではなかろうか。