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岡山畜産便り1996年9月号
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簡易電牧で始めませんか
あなたも 岡山和牛!
総合畜産センター 木曽田 繁
牛の放牧に電牧(弱い電流を流した牧柵)が使われていたのは,昭和30年代です。当時は,一般の電線から電気を引いて変圧器を設置して利用していました。
しかし,今回紹介する電牧は,バッテリーでどこでも簡易に利用できるものです。特に和牛繁殖経営の農家の皆さんには,大いに利用して頂きたいと思っております。
総合畜産センターで,現在使用している例を紹介しますと次のようなものです。
機械作業に不便な水田が,荒れているのを見かけることがありますが,周囲を掃除刈りしてこの電牧を張ることで,簡単に和牛の放牧場ができます。水田として利用するときも,耕作が容易になるだけでなく,ふん尿の施肥効果が期待できます。
種付けの悪い牛なども放牧することで発情がはっきりしてくることは良く知られています。全ての牛を対象としなくても,育成牛や子牛のいない繁殖牛を対象に考えてみたらどうでしょう。
放牧地(パドック)の面積や簡易牛舎の設置については,表のような点に注意が必要です。
和牛を飼ったことのない方でも,空いている水田や畑がたくさんある方は考えてみたらどうでしょう。地区の2〜3人が,一緒で牛飼いを始めるのも良いでしょう。複数で放牧すれば,発情も簡単に見つけられます。何人か交代に管理すれば,毎日の管理の苦労はなくなります。草の無い時期(冬季)も図のような簡易牛舎に簡単な覆いを施すだけで十分管理ができます。
ペットを飼うような感覚で気軽に始めて見ませんか?
表 簡易電牧による和牛飼育のポイント
電牧を使用するとき注意する点は?
初めての牛には,ジュースの空缶をつるすと,牛が近づき電気ショックを学習します。
電線が草にふれると雨の時漏電しますから,掃除刈りが必要な場合もあります。
電牧機のアースはしっかりととりましょう。
面積と放牧頭数は?
2〜3頭でしたら,広さは50〜80aで十分でしょう。
簡易牛舎の設置については?
高い,水はけの良い場所を選定しましょう。
周囲に簡単な排水路を設けましょう。