岡山畜産便り96年10月号 耳標100%装着に向けて

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(特集)肉用牛

「耳標100%装着に向けて」

岡山県畜産課

T 耳標(じひょう)とは

 みなさん,牛の耳にぶら下がっているものを見たことがありますか?  
 色は,黄色(昨年までは橙色もありました)でその中に数字が記入され,次のような形をしています。
 この耳標は,子牛が生まれて,生産検査を実施しますが,そのとき農協の職員さん達によって耳に付けられているものです。
 今回は,この耳標の有効性と活用方法について述べていきたいと思います。

U 耳標の目的

 牛(黒毛和種)の一生は,おおまかに図で表すと次のとおりになります。
 和牛去勢では生後28〜30カ月,和牛雌は8才(6産)程度で出荷され食肉となります。
 このとき,食肉市場に出荷された牛に耳標が装着されていたら,枝肉の格付成績は,家畜改良事業団に報告されるシステムになっているのです。
 家畜改良事業団では,各都道府県から報告されている耳標番号と血統を枝肉成績と照合(マッチング)することによってどの牛がどのような枝肉成績であったかを判明させるのです。
 つまり,耳標は,血統と枝肉成績をつなぐ橋渡しを行っているのです。

V 耳標の活用方法

 このようにして集められた枝肉情報はすでに約6,000件となり,分析処理された後に育種価等のデータとして農家の皆様へ提供されているのです。
 さて,これからが本論になります。
 従来,耳標は雄子牛のみに装着されていましたが,雌子牛でも枝肉成績が判るようにという要望に応えるため,本年から雌子牛にも装着することになりました。
 これまでは,肥育仕向けは去勢子牛が中心になっていることから,去勢子牛のみを対象としていたのですが,雌子牛のなかでも肥育へと仕向けられるものがいる上,関係者からの要請もあり,雌子牛への装着に踏み切ったのです。
 これにより,雌子牛からもデータが収集され,改良の速度が一層増すことが期待されます。
 なお,雌牛に耳標を付けるとセリで損徴として取り扱われ不利だという声がありましが,今ではそのような取引はされていないのでご安心下さい。
 また,従来は,改良事業用の耳標(橙色)と子牛基金用の耳標(黄色)との2種類の耳標がありましたが,本年から統一(黄色)されました。
 これにより,家畜改良業務と基金登録業務が一体化されるとともに耳標装着等の取扱業務の簡素化が図られることになったのです。
 繁殖農家は,生産検査の申込み時に基金加入することの意思表示を行うことで,肉用子牛生産者補給金制度により価格低迷時には1頭当たり304千円が保証されることになるのです。
 また,繁殖牛頭数を拡大又は維持させた意欲ある農家に対しては奨励金も加算され,補給金と併せて1頭当たり350千円程度の額が保証される制度に自動的に加入することにつながっているのです。

W おわりに

 今年度から肉用牛経営に有効な育種価等の肉用牛情報を市場の開催に併せて,定期的に提供することになっています。
 すでに第1回情報誌の創刊号を8月市場で配付しているのですが,これらの情報収集にとって皆さんが装着する耳標が大きな役割を果していますので,どうか「100%の装着」に向けて,御理解とご協力をよろしくお願いしたいと思います