岡山畜産便り96年10月号 農家指導は実地体験から

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「農家指導は実地体験から」

高梁家畜保健衛生所 高 橋 洋 子

 近年,獣医・畜産の県職員として採用された若い人達に,畜産の現場で研修させることにより,実地認識という体験に基づく農家指導に役立たせようということで,私達,平成5年採用の守屋さん・7年採用の福村さん・今春採用の私の3名は,それぞれ,今年7月から8月にかけ,約1週間,財団法人中国四国酪農大学校に体験入学しました。
 県畜産課のご指導・酪農大学校のご好意・職場の皆さんの理解で,これからの業務推進上,大変有意義な体験をさせていただきました。
 このたびの体験入学の感想を「畜産だより」に掲載し,ご指導頂いた皆さんへのご挨拶とさせていただきます。

(財団法人中国四国酪農大学校体験入学の感想)

 岡山県高梁家畜保健衛生所に配属になり,あっと言う間に4ヵ月が過ぎた,周りの雰囲気にも慣れ,ようやく仕事の内容を理解し始めてきたところであるが,実際に牛に触り,診療の手伝いをしたりするのは正直言ってまだ怖かった。酪大に研修に行くことになり,酪農経験は全く初めてで知識もないので,とにかく怖がらずに何でもやり,どんなことでも尋ねて吸収しようと決意して実習に臨んだ。
 実習は一言で言うと楽しく,また家保の業務をしていく上で必要なことばかりであった。乳検やピーパル等,今まで点と点でしかなかった言葉が結ばれて,やっと頭の中で私なりに形をなした。
 最初は,何で“牛サマ”の糞の掃除をしないといけないのかと思ったりもしたが,よく考えてみると,ミルクや肉など恩恵にあずかっているのは人間なんだということに気付き,改めて感謝した。そう思うと,とても牛達がかわいく,又少しかわいそうに思えた。
 技術面での収穫は,直検で頸管や子宮角の位置を初めて確認できたことである。これからは数をこなして妊娠鑑定ができるようになりたい。
 作業は何をするにしても力が必要で,あいにく腰を痛めていた私にとって少々辛いものであった。飼養作業のほとんどは人の手によるものであり,酪農家の数が減少していくのもわかる気がした。もっと作業負担の少ない管理方法がないものだろうか。
 優良農家見学では,長垣牧場と服部牧場を視察させてもらった。双方とも種は輸入物を使われているそうだ。乳量を出させるために,餌やりの方法に工夫を凝らすなど色々と試されているようだった。
 飼養に関して興味を持ったのは飼料で,質,量をうまく管理することで乳量をコントロールできることに関心をもった。自分でも勉強してみたいと思う。
 とにかく何もかもが初めてで,技術的なことから離れるが,実を言うと,ひとりで1週間暮らすのも初めてであり,不安はたくさんあったが,終ってみて,必要に迫られれば何とかできるもんだということを改めて感じた。新たな発見であった。
 全体を通してみて,酪農家の休む間も無い仕事の厳しさを強く感じた。又,獣医でもなく酪農経験も全くない私にとって,現場を知るということは,とにかく必要なことであったと思う。残念なことに期間が短かったため酪農のさわりの部分しかたいけんできなかったように思うが,新たな興味がわいてきたので,この実習で得た経験を仕事に生かしていくとともに,自分も,もっともっと努力していかなければならないと思った。