もっと もっと がんばれ 養豚家

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(特集)

もっと もっと がんばれ 養豚家

県 畜 産 課

 9月末に神奈川県養豚協会が主催する「神奈川県トントンまつり」を視察する機会に恵まれた。神奈川県養豚協会は,7年前に県下五団体が集まり発足し,会費及び母豚一頭200円の拠出金をもって運営し,毎年共進会やイベントを行っている。このまつりには,協会会員120戸のうち80戸の農家が直接参加し汗を流していた。熱気を感じる。意気込みを感じる。県や団体等がイベントを計画し行っているが,生産者が直接参加して行うことが少ないと思う。もっと生産者自らが考え,計画し,行動するようにならなければ養豚(畜産)の将来はないのではないだろうか。
 また,年々養豚農家が減少する中で,町や郡,農協の単位でしか集団化されておらず,商系・系統といった枠組みから,もっと幅広い連携が必要な時にきているのではないだろうかと思う。一人でも多くの方が岡山県養豚振興協会に加入し,行動を起こすことを期待したい。
 今年度,農林水産省の通達(養豚に係わる計画生産推進体制の整備及び補助事業等の取り扱いについて)が廃止され,生産調整の時代から国内生産の維持に向けていろいろな対策が打ち出されてきている。
 また,本県では中長期的な基本計画「第五次総合福祉計画」を策定し,この計画の達成に向けて,団地化をはかるとともに繁殖肥育一貫生産の推進を通じて企業的な経営を育成するほか,肉豚価格安定対策の強化をはじめ,優良種豚の導入や環境保全対策の強化等に取り組んでいる。更に,今年度,総合畜産センターに豚精液供給施設を整備し,低コストで,ゆとりある養豚経営をめざしてバックアップしていくこととしている。
 「岡山ポーク」の銘柄化や産地直販体制の整備による「おかやま黒豚」等の消費拡大対策も併せて推進することとしており,これら一連の生産から流通までの施策について,次に掲げる畜産振興事業団事業等と連携をとりながら推進していきたい。

☆地域養豚振興特別対策事業

〔事業の内容〕

地域養豚振興基金造成事業
(社)岡山県畜産会が次に掲げる事業を行うため「地域養豚振興基金」(以下県基金という。)を造成する。
(1)地域養豚振興推進指導事業
 県段階において,生産者,流通業者,消費者の代表者等からなる「地域養豚振興推進検討会」を設置し,肉豚の生産振興,生産性の向上,安定的な生産・流通体系の確立等を図るための計画の作成等を実施し,sに掲げる事業の円滑な推進を図る。
(2)地域養豚振興促進事業
 (1)で作成した計画に基づき,養豚集団等が実施する次に掲げる事業について助成する。

a 肉豚の生産振興・生産効率の改善に資する器具,資材,簡易施設等の整備

@ 器具については,子豚のほ育・保温器・送風ファン等
A 資材については,優良豚の導入,飼料(栄養補助剤)等
B 簡易施設については,散水施設等
C その他生産効率の改善等に資すると認められるもの

b 地域的な肉豚の銘柄化の促進

@ 地域において生産された肉豚の銘柄化の促進を図るための協議会等の開催
A 肉豚の銘柄化の促進を図るためのシール,チラシ等の作成,販売促進及び当該銘柄豚の評価について

c高付加価値豚肉の産直体制の確立

@ 高付加価値豚肉の産直体制を確立するための市場開拓,販売促進等

d 需給緩和時に力点を置いた豚肉の地場消費の促進
地域における豚肉の消費拡大を図るため

@ 販売促進試食会の開催
A 地域独自の豚肉利用法・加工品の開発・普及の促進を図るための豚肉の調理会及び展示・発表会の開催
B 消費の拡大を図るためのポスター等の作成

e その他地域養豚の振興に資する事業

☆養豚生産基盤強化対策事業

〔事業の内容〕

養豚生産基盤強化対策事業
(ア)生産基盤強化対策推進事業

a 生産基盤のための推進会議等の開催
b 生産性向上推進のための調査・分析・指導等
c 地域の生産基盤となる集団(以下「生産集団」という。)の育成推進会議,技術向上研修会等の開催及び養豚農家等に対する指導
d 飼養管理技術等情報の集計及び分析のための分析用機器並びにソフトの整備

(イ)優良種豚導入奨励事業
 生産集団の構成員が養豚生産基盤の強化のために行う優良種豚の導入に対して導入奨励金を交付する事業
(ウ)養豚生産集団確立事業
 生産集団が次に掲げる事業を行うことに対し助成金を交付する。

a 集団活動計画及び規約作成等組織運営強化の実施
b 技術向上のための研究会の開催等
c 試験飼料の調整に必要な機器の整備
d 経営管理の高度化に必要な機器の整備
e 環境調査等畜産環境保全対策の実施
f その他県知事が適当と認めるもの