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「声」

新年のごあいさつ

岡山県農林部長
和 田 秀 樹

 慎んで,新年のごあいさつを申し上げます。
 皆様にはお健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 また,皆様には平素より本県の畜産振興につきまして,ご尽力いただき,心からお礼申し上げます。
 最近の畜産を取り巻く情勢は,ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意以来,畜産物輸入量の増大や国内における産地間競争の激化に加え,担い手不足や畜産物価格の低迷など厳しい環境にあります。
 このような状況のなか,牛乳・乳製品及び食肉等の需要は今後とも着実に増加するとの国の見通しを踏まえ,県としましても,本県畜産の持続的な発展を図るため,経営の合理化と低コスト生産による内外価格差の縮小を基本として,「岡山県酪農及び肉用牛生産近代化計画」を策定したところであり,市町村及び関係団体等のご理解を得ながら,高品質で低コストな畜産物の安定供給に努めることにしております。
 本県は,京阪神地域の大消費地を控え,従来から高品質な畜産物の生産県として定着していることから,今後とも積極的な生産振興と流通の合理化等を推進し,その役割を果たして参りたいと考えております。
 このため,担い手の育成をはじめ,飼料基盤の整備,家畜改良による能力の向上,畜産環境保全及び家畜衛生対策の充実,畜産物の集出荷及び処理加工施設の整備等に努めるとともに,畜産物の銘柄化や高品質な畜産物の消費宣伝等流通消費対策を一層推進することとしております。
 特に,酪農については,規模の拡大による専業的な経営の育成と,高能力牛の海外導入や受精卵移植による改良の促進,さらには生乳流通の拠点となるクーラーステーションの整備に取り組むこととしております。
 和牛繁殖経営では,中山間地域を中心に他作目との複合経営や地域内一貫生産体制を推進するほか,専業的肥育経営の育成,優良種雄牛の作出による「おかやま和牛」のブランド化を一層推進することとしております。
 養豚・養鶏については経営の合理化による企業的経営を推進するほか,「おかやま黒豚」や「おかやま地どり」等の地域特産化を積極的に進めることにしておりますので,生産者をはじめ関係団体の方々のご理解とご協力をお願いいたします。
 また,今年は,平成12年度本県で開催される「第11回全日本ホルスタイン共進会」に向け,実行委員会の設立,会場の決定,基本構想の策定等進めてまいります。
 一方,11月には和牛の祭典「第7回全国和牛能力共進会」が岩手県で開催されることとなっております。これらの共進会に向け,その体制整備はもとより,優秀な出品牛づくりなど関係者の盛り上がりが是非とも必要と考えており,引き続き皆様方の一層のご理解とご支援をお願いいたします。
 最後になりましたが,今年も輝かしい年となりますよう,また,皆様方のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして,新年のご挨拶といたします。