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岡山畜産便り1997年2月号
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「輝くひと」
「生活の味付けは酪農から」
高梁農業改良普及センター
都窪郡清音村 友 杉 圭 子さん
1.はじめに
清音村は,高梁川の清流に臨み温暖な気候と平坦な肥沃地といった自然条件に恵まれた村です。
近年,倉敷市,岡山市のベッドタウンとして,急速に混住化が進んでいます。
この村は人工5,647人で,耕地面積は222ヘクタール,内198ヘクタール(耕地面積の89%)が基盤整備された水田で水稲農業を中心とした農村です。
総農家戸数321戸の内専業農家は10戸で,ほとんどが兼業農家です。
2.友杉牧場の紹介
過去には近所にも酪農家がありましたが,現在清音村では友杉さんの家だけが酪農をされています。
自宅のとなりに位置するスレート屋根の牛舎は,歴史を感じさせるようなたたずまいです。
20頭用のパイプラインを設置し,対頭式牛舎で給餌車を効率的に動かすことができます。また牛舎との段差を活用して,バーンクリーナーからのフンをトップカーでうけるなど小規模でも,作業の省力化と過剰投資を抑えた優良酪農家です。
3.牛との出合い
圭子さんは非農家出身ですが,夫がサラリーマンということもあり「牛飼いに嫁ぐ」という特別な意識はありませんでした。
結婚と同時に,酪農の通帳を渡されました。牛に直接さわることがなくても,組合の通帳と家計簿を任されたことによって,自然に酪農経営にたずさわることになりました。
子育てが一段落する頃から,濃厚飼料,ビーパル,ビール粕等の飼料配合,育成牛への水やりの仕事をされるようになりました。最初は慣れない仕事でも,1週間も経てばお手のもの。「私でもできるんだなあ」という自身めいたものがわいてきたとの事です。
4.経営での役割
本格的に作業にたずさわられるようになったのは,2年前のことです。いままで,主に搾乳作業をされていたお母さんが海外研修旅行で2週間,家を空けられることになったことがきっかけでした。
「牛さん蹴らないで」「残さず食べてね」と不安ながらも順調に過ぎ,お母さんが帰られる日を無事迎えることができました。それからは,正社員として自他共に認められ,今では両親と圭子さんの3人で仕事の融通が利く経営となっています。
5.地域での活躍
平成8年に地域の農業に関心のある女性で組織した「スカイレディース」という団体に所属されています。この団体は,女性の農業研修グループで会員は10名です。
ピンクのツナギを揃えて,市場視察やハーブの植え付け,果樹の剪定講習会などの勉強会をしてきました。会員の育てた花・野菜を清音青空市で販売もされています。
圭子さんは会員の中では最も若い年齢ですが会計係を勤めるなど積極的に参加されています。
6.これからの夢
最近は,搾乳作業も苦にならず生活の一部となりました。酪農を自分の仕事としてがんばって,夢とゆとりのある生活達成を目標にされています。
一昨年の6月,両親のすすめもあって,夫婦で初めての海外旅行をされました。
しばらくは子供の進学等で忙しくなるので,時間の使い方をもっと工夫して,子育てで中断していた編み物や,生け花を習いに行きたいとのことでした。
表1.家族構成・労働
続柄
農業従事日数
本人
250日
父
150日
母
150日
夫
−
子供(3人)
−
表2.土地・家畜・施設
種別
面積
家畜種別
頭数
水田
29.3a
乳牛(経産)
20
畑
29.7a
育成牛
5