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灸のすすめ

岡山県津山家畜保健衛生所 

遠 藤 広 行

 鍼灸療法は,ある病気に対して身体の表層のある部分に変調が現れ,その部に灸・針を施すことによって,離れた部位の変調を解くことができると知られています。
 近代獣医学領域においても「操作が簡便で経済的かつ安全で,副作用なく生体本来の生理機能の活性化を促す」といった観点から注目されています。
 以下,その概要を紹介しますので,試みられてはいかがですか。

1.材 料
市販(木目の荒いもので良い)または自作のもぐさ

2.方 法
@ 各ツボに味噌,にんにく,生姜等を薄くぬる(繋ぎの役目と熱の伝導を和らげ,治療の相乗効果もある)
A もぐさ2g程度(ピンポン玉ぐらい)を円錐形に固め,ツボの上にのせる
B ライター等で着火する
C もぐさが燃え尽きるまで待つ(約20〜30分間)
D 以上の操作を3日間は連続して行う
(注)鼻を固定し,しっぽは股の間を通して紐で首に繋いでおく
  ※くれぐれも火事には注意して下さい。

3.ツボの名称と位置(図参照)
@ 天平(てんぺい)
  最後の肋骨を背骨の方へ延ばして背骨とぶつかった所
A 百会
  (ひゃくえ)
  いわゆる十字部
B 開風
  (かいふう)
  百会のうしろのへこみ
C 尾根
  (びこん)
  尾を持ち上げた時に,骨が動く部分と動かない部分の堺のへこみ
D 帰尾と尾帰(きびとびき)
  百会の両脇のへこみ
E 気門(きもん)
  Dのうしろで開風から少し前よりに下がった左右一対のへこみ
F 臀部(でんぶ)
  尾根から左右垂直に下ろし,気門と同じ高さにあるへこみ
 (注)ツボは骨や筋肉の間のへこみにあるので,自分で押さえてへこみを確認してから療法を行うこと

4.効能・実施時期
 a 胎盤・悪露停滞:排出,子宮内の回復を目的に停滞中に2〜3日間実施
 s 卵巣静止,卵巣萎縮:診断された時点で,3日間実施
 d 子宮の早期回復:分娩後20〜30日までに,3日間実施
 f 発情誘起:分娩後30〜40日までに,3日間実施
 g 微弱発情:発情予定日が推定できる場合は,発情前10〜7日に3日間実施
   発情不明の場合は,随時
 h 低受胎(リピートブリーダー):子宮・卵巣に異常が認められないものに,次回発情前10〜7日に3日間実施