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「輝くひと」

「スポーツで鍛えた体力と笑顔でゆとりある安定した酪農経営をめざす」

岡山農業改良普及センター      

赤磐郡熊山町 山 本 美津恵さん

 赤磐郡熊山町は岡山県の東北部に位置し,吉井川に沿って広がる平坦地では水稲をはじめ果樹,花き,養鶏,酪農等が盛んで,東備管内でも農業が盛んな地域です。
 今回紹介する山本美津恵さんは親子二代にわたる酪農一家の山本牧場に嫁ぎ,経営の基本である,飼料自給率向上に向け,借地等の活用に創意工夫をこらした安定経営をめざして,ご主人の良きパートナーとして頑張っておられます。
◎酪農との出会い
 美津恵さんは熊山町内の非農家の長女として生まれましたが,子供の頃から生き物が大好きでした。
 ご主人とは小学校と高校は違いましたが中学校の同級生であり,青年団活動でふたたび顔を合わすようになりました。それがきっかけで山本牧場で3ケ月間,アルバイトをすることになり,酪農とのつきあいが始まったと言ってもよいでしょう。
 もともと,スポーツが好きなこともあり,岡山市内の短期大学卒業後は中学校の体育教師として勤務されていましたが,縁があり昭和55年に結婚されました。
 結婚当初は教師の仕事を続けられていましたが,昭和56年4月第一子の出産を機に勤めを辞められ,育児と家事,そして酪農の手伝いに専念されました。
◎本格的な酪農家として
 育児が一段落した平成2年頃から本格的に酪農経営に参画し,哺育牛,育成牛の飼養管理を中心に,牛舎の衛生管理,経営管理などを担当されています。簿記研修会にも積極的に参加し,これからはパソコンを活用して簿記記帳や経営分析を実施したいと考えておられます。
 現在,希望に満ちてご主人と二人三脚で力を合わせて酪農経営の安定向上に努力されています。
◎こころにゆとりを持って
 根っからの明るい性格に加えて,学生時代はテニスで鍛えたスポーツ好きでもあるため,いつも笑顔でハッスルプレーをする美津恵さんは地域のママさんソフトやバレーボールなどには欠かせないレギュラー選手として活躍されています。また町内の専業農家の若妻グループ「すずらん会」にも加入し,農産物加工(キャロットゼリーなど)や視察旅行なども積極的に行っておられます。
 酪農経営は毎日の作業があり,休日が取れないのが現状ですが,持ち前の笑顔と行動力でストレス解消を図りつつ,たえずこころにゆとりを持った「輝いている人」です。
◎経営の概要
 山本牧場は父親の代に酪農を開始し,美津恵さんのご主人が後継者として就農すると同時に畜舎を新築して現在の経営規模にされました。
 課題のふん尿処理は町内の農協ライスセンターのモミガラを水分調整材として利用し,古電柱とまくら木を利用した400uの堆肥舎で切り返し発酵させ,自家の飼料畑と町内の耕種農家に供給されています。
表−1.家族構成
続 柄 年齢
本 人 39歳
39 
長 男 15 
長 女 14 
次 男 12 
68 
68 
 
表−2.乳牛飼養状況
区 分 頭数
経産牛 30頭
育成牛  8  
38 
 
表−3.飼養生産基盤と作付体系
区  分 面 積 作付体系
水田  60a (水稲)−イタリアン
転作田 240  ソルガムーイタリアン
(内借地) 220   
300