ホーム岡山畜産便り > 岡山畜産便り1997年4月号 > 奈義町の畜産

「声」

奈義町の畜産

JA奈義町畜産部長 岡   親 佐

 我が奈義町は昔から,畜産の町として歩んできました。東は兵庫県に近く,北は鳥取県境と接しています。更に,背には那岐山をひかえ,秋の台風シーズンにはこの地域特有の「広戸風」(風速40m位)の強風により,農作物が大変な被害を受けています。
 その中で唯一耐え忍んできた酪農,肉牛,養豚,養鶏などの畜産は,奈義町農業粗生産額の約6割を占めるに至っており,今日奈義町農業経営の柱となっています。中山間地特有の狭い限られた平野部には,自衛隊の演習場がかなりの面積を占拠しているため,決して恵まれた環境条件ではありません。
 しかし,1世代,2世代と意欲的に経営を引き継ぎ,粘り強く頑張り通した結果,今では畜産生産額において,岡山県下の上位にランキングを果たしております。
 また,町や県など各行政機関の指導のもとさまざまな補助事業も積極的に活用し,経営改善,拡大などを図り,畜産経営安定に向けて努力をしています。
 一例を挙げますと,
 酪農:平成3年から実施している畜産基盤再編総合整備事業により規模拡大が図られ,県下では,飼養頭数が減少する中,頭数の維持が保たれています。
 養豚:地域内一貫体制により,黒豚をはじめ「なぎポーク」の名称で,消費者ニーズにあった豚肉生産に力を入れています。「なぎポーク」は,フレッシュのほか加工品として,ハム,ベーコン,焼豚,ウインナーなども農協で手作りし,販売をしています。
 肉牛:今年で35周年を迎えた当所直営の肉用牛センターがあり,乳用肥育牛では,哺育・育成後,地域内肥育農家へ販売,肉専用肥育牛では,町外はもとより町内で生産された肉用子牛も県経済連久世市場で購買し,肥育農家の経営安定と,改良に一役かっています。
 また,町内には肥育農家が7戸あり,現在2,100頭を飼育していますが,2,000頭突破を励みにし,頭数の増加のみならず,質の向上も含めさらなる肥育技術の向上を目指しています。
 さらに,これから地域に根ざした畜産経営を展開するにあたっては,環境問題を語らずにはおられない時代です。そこで我が町奈義町は,畜産農家並びに農業団体の永年の課題になっていました有機センター施設を平成5,6年度環境保全型畜産確立対策事業により,総事業費6億円を越える西日本随一の施設を建設し,農協がその管理運営にあたり農家の負担軽減に努めています。
 最後に,JA奈義町畜産部のスタッフの説明をいたしますと,総勢7名がそれぞれ担当をもち,各種事業の目的達成のため協力しあって,業務の運営,指導を行っております。また,組合員との協調とふれあいを大切に,那岐山のきれいな空気と水で作られた「銘柄なぎビーフ・なぎポーク」の生産に努めて参りますので,今後ともご指導ご鞭撻下さいますようお願いいたします。

日本原高原
 なぎの里ブランド商品紹介コーナー

なぎビーフの特徴
 な:なぎ町で飼育管理された生産者が明らかな牛肉。
 ぎ:ぎゅう肉をつくる農家の愛情と情熱の伝わる牛肉。
 ビ:びみ,新鮮,おいしさ味わえる牛肉。
 ー:一切,肥育ホルモン剤等,使用せず肉質重視型飼料を使用した牛肉。
 フ:ブランド牛肉として消費者に安心と良品質を届ける牛肉。

ダブルブランド化
「なぎビーフ」=全農肉質重視型システム牛
        (ぴゅあ牛肉に準ずる)