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台湾における口蹄疫の発生

農林部畜産課

 家畜伝染病である「口蹄疫」が平成9年3月19日,台湾で発生し,以来同国内では発生が拡大し,台湾の養豚界に甚大な被害が出ています。台湾は我が国の豚肉輸入国の首位を占め,隣国であることから,我が国への侵入の危険度は高く,緊急の防疫体制がとられています。
 口蹄疫とは,急性で極めて伝染性の強いウイルス性伝染病で,偶蹄類(牛・豚・山羊等)が感染発症しますが,人には感染しません。
 発症すると患者は,口や蹄に水疱を形成し急激に痩せ,死亡する場合もあり,死亡しない場合でも産業上の利用価値を失い,畜産業に及ぼす影響が大きいことから,世界でも最も恐れられている家畜の伝染病です。
 現在,台湾からの我が国への食肉,畜産物は全面輸入禁止としているほか,国,県で様々な防疫措置が取られています。
 当面,農家及び畜産関係者の皆様に守っていただきたいのは次の様な事項です。
 1)本病が疑われる症例(集団的な発熱,鼻・歯ぐき・舌・つめ周辺の水疱や潰瘍形成痛みで歩行を嫌がる等)の症状があった場合は,すぐに家畜保健衛生所や診療獣医師に連絡する。
 2)畜産関係者等の台湾,特に畜産農家への視察等の自粛。
 3)畜産物の残さ(残飯を含む。)の加熱給与。
 4)関係者の畜産農家間の移動に際しての消毒の励行の徹底。

台湾での口蹄疫発生状況(H 9 . 5 .15現在)

  畜   種      豚
  発生件数        6,114頭(総農家数    25,357戸)
  発症頭数    1,008,793頭(総飼養頭数 10,698,066頭)
  死亡頭数      183,845頭
  殺処分頭数   3,833,995頭

  
豚の鼻周辺に発生した水疱    豚の蹄冠に発生し水疱