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「共済連便り」

岡山中部家畜診療所紹介

岡山中部家畜診療所  
 次長  田 中   均

 平成8年4月1日より県下の家畜診療所が岡山中部,岡山南部,岡山西南,岡山西部,真庭,津山,勝英の7ケ所の家畜診療所に統廃合されました。当岡山中部家畜診療所は,平成7年4月1日より名称の変更,診療管轄の小変更を加え,獣医師5名,女子事務員1名で家畜診療業務にあたっています。管轄地域は岡山市足守,一宮,高松,旧市の一部,御津町建部町,加茂川町,久米南町であり,平成8年度の家畜共済加入戸数及び頭数は,乳牛70戸2,402頭,肥育牛9戸222頭,特定肉用牛(和牛)63戸270頭,一般馬1戸2頭となっています。酪農家は比較的飼養規模は多いものの管内に点在し,診療効率に難点があります。
 農家を取り巻く状況は自由化以来年々厳しいものがあり,畜産経営は急速に悪化しています。農業所得の減少は著しいものがあり,そのため離農者は後をたたず,家畜共済加入頭数の減少により家畜診療所の運営も大変困難なものとなっております。生産コストの低減によって所得の向上をはかり,安定した経営とするためにも疾病予防は不可欠のもので,関係機関の協力のもとに当家畜診療所においては次の様な損害防止事業を実施しています。
〔乳牛ドック〕
 建部町酪農組合よりの要望を受け,岡山家畜衛生保健所,岡山農業改良普及センター,建部町,JAみつ,ホクラク,そして当家畜診療所が協力して周産期疾病の予防(プロファイルテスト)を目的として,乳検データ,血液検査,飼料計算等の結果をもとに農家へ経営改善の方策について提案を行っています。
〔牧野衛生〕
 当管内では育成牛を放牧主体で飼育している農家が多数あり,その結果ピロプラズマ感染による発育不良が見受けられます。従って,家畜保健衛生所の協力を得て定期的に血液検査を実施し,ピロプラズマ感染牛の早期発見及び駆虫に努めています。
〔繁殖検診〕
 多頭飼育の酪農家を対象に,1名の専任獣医師が月1回のペースで繁殖検診を中心に巡回しています。関連して飼料給与改善,乳質改善等幅広く酪農家が抱えている問題点の相談に対応しています。
 繁殖和牛においては繁殖障害と子牛の下痢が問題となっています。今年より分娩後1ケ月頃に検診を行うことで,初回発情の発見に努めたいと思います。
〔乳質改善〕
 県下の乳質は全国並に向上していますが,乳房炎による経済的損失はかなり大きく,体細胞の増加による不良乳はかなりのものがあります。体細胞は生理的なものもありますが,多くの場合は乳房炎に起因されるものです。高価な乳房注入液で加療しても,泌乳期の乳房炎を完治させることはなかなか難しいものです。これらの体細胞乳は出荷できず廃棄されています。治療により予防が重要なことは誰しも分かっているのですが,これがなかなか実行されていない農家が多数みられるのが現状です。今一度疾病予防に対する認識を改め,生き残れるそして儲かる経営を目指して頑張っていただきたいと思います。 
 当家畜診療所におきましても,関係機関と協力のもと日々の診療業務はもちろんのことながら,農家巡回により疾病の予防と適切な管理指導等に全力をあげて頑張りますので宜しくお願いします。