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〔広場〕

「病気は忘れた頃にやって来る」

岡山県家畜畜産物衛生指導協会

 現在,日本全国の畜産業界で最大の関心事は台湾の口蹄疫であり,発生については色々な憶測が飛び交ってはおりますが,少なくとも約500万頭の豚が処分されており,現在でも発生が続いております。これがもし日本にでも飛び火すれば,日本の畜産は大変な事になります。台湾の口蹄疫発生を「対岸の火」とせず「自分の所は大丈夫か」病気は忘れた頃にやって来ます。
 そこで,本協会が本年度の重要疾病として2つ掲げておりますので,今一度再吟味をお願いして対応に萬全を期される様,畜産農家ならびに関係者にお願いする次第であります。

1.豚コレラ撲滅対策

  最近日本での発生はありませんが外国では発生が散見されております。
  1980年(昭和55年)に突然日本にも発生しましたが,この内容は大多数がワクチン未接種でした。色々むづかしい議論は別として,現在日本で使用されている豚コレラワクチンは,世界に誇れるワクチンであります。
  従って適確に且つ,全頭に使用していれば恐いものは何もありません。これらの事を踏まえて,全国で豚コレラ撲滅対策を行っており全頭の予防注射を実施し,豚コレラの無い洗浄国を目指して現在推進しておりますので,養豚農家を始め関係者の御協力をお願いします。

2.鶏ニューカッスル病撲滅対策

  豚コレラ同様,日本での発生は余り聞きませんが,外国では散見されております。

  日本でのアジア型ニューカッスル病の発生は,昭和40年前後以降にみられ,昭和42年には全国に蔓延し,最高の発生羽数では194万羽(当時の飼育羽数約1億3000万羽の1.54%)を記録しており,この時,緊急対策として,アメリカからB1株ワクチンを導入し,接種が奨励された結果,翌年には発生が劇的に減少しております。
  現在の飼養羽数が日本全国で約1億9000万羽とすれば,昭和42年の発生が,1.54%発生したとすれば発生羽数は約293万羽となり,粗収益で100億円前後の損失となります。

3.ま と め

  最近の畜産は大規模,高密度飼育化が進んでおり経営に対する最大の脅威はなんと言っても特に急性の伝染病であり,また,日和見感染等による損害であります。
  これらの対策として多様性のワクチンが応用されておりますが,予防接種に多くの「経費が」との声を聞かぬでもありませんが,ワクチンを確実に100%実施しておれば,伝染病を恐れる事は何もありません。
  「病気は忘れた頃にやって来ます」そして,家畜の身体を,命を,守ってやりましょう。