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〔共済連便り〕

岡山西南家畜診療所の紹介

岡山県農業共済組合連合会         
岡山西南家畜診療所 所長 木 梨 眞 富

 岡山西南家畜診療所は,岡山県の西南部に位置し,里庄町浜中に所在しています。倉敷管内と井笠管内との2地区を受け持っています。倉敷管内とは,倉敷市を中心に,早島町・清音村・山手村・船穂町・総社市・真備町の6市町村です。井笠管内とは,金光町・鴨方町・寄島町・里庄町・笠岡市・井原地区農業共済事務組合管内(矢掛町・美星町・井原市・芳井町)を言います。この管内の家畜共済加入家畜は,乳牛が戸数で175戸,頭数で4,763頭,肥育牛が34戸で1,964頭,特定肉用牛が49戸で210頭,種豚が2戸で92頭,肉豚が1戸で544頭います。
 管内で特徴的なことは笠岡湾干拓地を有することです。全国の農業干拓地では,6番目の規模(1,991ゥ)で,家畜共済の加入も乳牛で10農家,1,105頭,肥育牛で1農家400頭と大規模農家が集中しているところです。家畜診療所の獣医師は,今年の4月から1名増員し6で診療業務を行っています。加入家畜の多い地域と少ない地域が点在し,診療エリアは広く片道の往診距離が40qを超えるところもあります。また国道2号線の道路事情,倉敷チボリ公園等混雑する場所などがあるので,その日ごとに診療効率を上げるため診療コース,診療分担等を全員で検討しています。
 管内の死亡廃用事故は,岡山県全体の傾向と同様に,運動器の疾病が多く関節炎が多発しています。また,産前産後の起立不能症・脱臼・骨折・乳房炎も多発しています。これらの対策として,診療所全体で,削蹄の指導・関節炎防遏パトロール・乾乳期の関節炎及び飛節周囲炎に対する抗生剤による治療・産前産後の肢間ベルトの装着などに力を入れています。また繁殖成績は酪農家の経営を左右するほど重要なため,繁殖検診を定期的に実施しています。大規模農家の繁殖検診は,触診,卵巣所見の記入,治療などが一人では難しく,二人で行っています。繁殖台帳などの管理は一部パソコンで処理しています。
 私たちの診療所では,広域診療所としての有利性を生かし診療効率を上げるように努力しています。そのため獣医師間の意思の統一を図るように,月1回診療技術研究会を開き診療技術に関するあらゆる検討,治療計画を話し合っています。そのあと懇親会も開いて酒を酌み交わしながらではあるが,畜産を取り巻く環境などを夜遅くまで語り合ったりしています。
 診療所は,6人体制で毎日診療していますが,獣医師は診療だけでなく,死亡廃用事故の処理,共済加入推進,カルテなどの事務整理,薬品管理などの業務もあり,多忙な日々を過ごしています。農家の方も飼養頭数の増加等により,ゆっくりと獣医師と対話ができる時間が持てなくなっています。農家の皆さんには,獣医師が診療に行っている貴重な時間を,最大限有効に利用して頂きたいと思います。いわゆる思いつき診療依頼ではなく,獣医師が往診にきている間に,時には点滴中であっても繁殖障害対策・疾病予防・ボディコンディション・乳房炎対策・飼料設計など牛群全体のことも短時間に効率的に相談して頂ければと思います。
 最近,ある雑誌に「将来家畜診療所に期待することは?」というアンケート調査記事がありました。それによると,@経営指導A飼養管理指導B乳房炎対策C繁殖検診というようなことが期待されています。私たちの診療所でも,個体診療に止まらず,このような農家から期待される診療所を目指したいと思います。家畜診療所は・・・「全てが現場にある」・・・現場から将来が見えると思っています。