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「養豚と私」

倉敷市児島田の口 小 坂 栄二郎

 親の跡を継いでこの養豚という仕事を始めて,はやくも11年になります。
 父が養豚を始めたのは,私が生まれる以前で,当時は仙随地区にも7戸ぐらいの養豚農家があったようです。私が就職した頃は既に豚価も下がり養豚農家も3戸に減少していました。そのころの私は養豚よりサラリーマンにあこがれ,岡山市内に就職をしていました。就職3年目に,サラリーマンをやめ父親とともに養豚を始めたのですが,4年目に父親が他界し,全てを自分の考え方で進めていかなければならなくなり,迷うことの連続でした。
 一つのことをして,それに失敗し,その失敗から学んだり,解決策を見出したりする事を繰り返し,かなり遠回りをし最近になってようやく自分の考えで,納得のいく自家配も作れるようになり,並行して出荷豚の品質も安定してきました。今では上物率も向上し,自分自身も納得できるものになってきました。
 ただ,設備は30年前に設置したままなので,老朽化が進み育成成績にも影響が見られています。また当時としては画期的と自負していた菌床肥育豚舎も傷みが激しく,大幅な改造が必要となっており,今年度中にはこれらの改築をやりたいものと考えています。
 ふん尿処理については2年前に設置した堆肥舎が順調に稼働していることから,製品の在庫が増えないように努めながら,環境に配慮した経営をやりたいと思っています。
 経営規模は,現在より少し増やして繁殖豚100頭の一貫経営とし,現在受胎率が低く事故率が高いことから,種豚の更新,飼養管理の徹底に努めるとともに,自家配のメリットを生かして経営の安定化を図りたいと考えています。