〔輝くひと紹介〕

高梁農業改良普及センター

川上郡備中町　三　宅　貴　美さん

１　はじめに
　川上郡備中町は，県の中西部，広島県に接する吉備高原の西端に位置し，渓谷が多く，成羽川沿いの低地部と標高450m程度の高原部に分かれます。山林・原野が面積の80％を占め，第１次産業の就業人口が最も多い中山間地域で，畜産のほかにピオーネ，トマト等の栽培が盛んです。

２　三宅牧場の紹介
　フレンドリーな犬たちのお出迎えで牧場へ入ると必ずニューフェースに会えます。昨年だけで６名もの研修生を県内外から受け入れている三宅牧場は，いつ訪問しても笑い声のあふれるとても暖かい牧場で，ご両親，ご主人，そして３人の小学生とともに経産牛52頭，育成牛13頭，肥育牛165頭（共同）を飼育する地域の中核的農家です。

３　牛との出会い
　牛と出会うことのないサラリーマン家庭に育った貴美さんは，ご主人の穣次さんとの結婚を機に，多くの愛牛を家族に持つことになりました。「結婚11年目を迎えた現在でも，気持ちは酪農家だが，なぜか腰が引けている」と貴美さんは笑われる。

４　経営での役割
　末っ子が小学校に入学した昨春から本格的に経営へ参加できるようになり，給餌，牛舎管理等を担当されていますが，２ｔダンプを操るさまは，熟練の域に達しています。また，簿記を現在勉強中とのことで，普及センターが主催する経営講習会にも積極的に参加されています。
　現在牧場では，牛舎の増築用地の造成が行われており，貴美さんの経営参加による規模拡大の計画が着々と進んでいます。

５　地域での活動
　青年農業者クラブ「緑農会」では，今年結成された若妻会の初代会長を努められています。この会は，世代を越えて地域の人たちと交流したり，山菜探索等を通じて田舎の良さを再発見しようと，貴美さんを中心に積極的な活動がなされています。また，子供会や各種ボランティア活動等にも参加され，まさに東奔西走の毎日です。

６　これからの夢
　「明るい家庭と健全な経営。妻として家族の健康に気を配ることはもちろんのこと，経営の中で自分の役割を果たすことも大切。今の私はまだまだ半人前。」と控えめながらうちに秘めた意欲の感じられるコメントが頂けました。
　ご両親はもとより普及センターをはじめ関係者は，酪農後継者として，また，地域のリーダーとして貴美さんに大きな期待を寄せています。