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〔病鑑便り〕

豚コレラ撲滅体制確立対策事業 −3年目を迎えるに当って−

岡山県家畜病性鑑定所

 平成8年度から開始された豚コレラ撲滅作戦も2年目を終えようとしています。この作戦は豚コレラウイルスを国内から無くし,ワクチンによらない防疫体制で清浄化を維持してゆくことを目的としています。平成10年度までの3年間は撲滅事業年次計画(表)に示すように,その第1段階として徹底した予防注射を行うことにより,豚コレラ野外ウイルスの介在する余地をなくそうとしています。

表 豚コレラ撲滅事業年次計画
年度
実施計画
平成8年度
10
全頭ワクチン接種

野外ウィルス

動態調査       

11
12

清浄地域指定

(清浄地域はワクチン接種中止)

13
14
15
16

清浄地域維持対策

全国が清浄地域になったら豚コレラ終息宣言

 県内で飼育されている豚の豚コレラウイルス抗体調査を,平成8年度に1,317頭,平成9年度は1月末現在で1,001頭実施しました。年次別ワクチン抗体の分布状況は図に示したように,両年度とも頭数では抗体価64倍をピークとする正規分布がみられ,野外感染が疑われるような高い抗体価を保有する豚はみられません。また,8倍以下の比較的低い抗体価の頭数割合は平成8年度に26.3%であったものが平成9年度には19.0%と減少しており,抗体価の幾何平均も37.8倍から42.9倍へと上昇しています。
 このグラフはワクチン未接種豚を除いたものですが,予防注射をしているにもかかわらず抗体のできていないものが平成8年度122頭(9.3%),平成9年度(1月末まで)75頭(7.5%)認められます。しかし,その割合は両年度とも10%以内であり,平成9年度は前年に比べ減少し,改善がみられています。どのように優秀なワクチンであっても全ての豚に十分な抗体を獲得させることは困難である点を考えると,本県の成績はかなり良いものと考えられます。ただ,このなかには僅かな頭数ではありますが初回ワクチン接種時に移行抗体がまだ高くワクチンが利かなかったのではないかと思われるものもみられました。今後ともワクチン接種には細心の注意を払い,抗体価2倍以下の豚を少なくするよう努力しましょう。
 撲滅作戦成功のためには第2段階である清浄地域指定地域となり,ワクチン接種を中止した後も引き続き抗体調査を継続し,ウイルスの動きを厳重に監視していくことが必要です。現在でも東南アジア・ヨーロッパ等では豚コレラの発生が依然みられています。疑わしい症状がみられた場合には速やかに家畜保健衛生所に連絡して下さい。
 撲滅作戦3年目となる平成10年度も全戸全頭,漏れのないようワクチン接種を行い,豚コレラ終息宣言のその日に向かって関係者一丸となって努力しましょう。