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〔家保便り〕

「管内の事例紹介」

1.畜産ネットワークが完成

 県が進めてきたコンピューター通信を利用した「畜産経営技術ネットワーク」が,最後に残っていた当家畜保健衛生所にパソコンが導入され完成しました。このネットワークは,岡山県畜産会と東京にある中央畜産会を結んだISDN(総合デジタル通信網)に畜産課,地域振興局,総合畜産センター,家畜保健衛生所をパソコン通信で結び,畜産技術・行事・市場情報などをリアルタイムで入手できるものです。このことにより畜産農家がインターネットで直接情報が入手可能となり,畜産経営改善に大いに役立つものと考えられます。

2.美星町に牛豚の堆肥センター完成

 畜産経営の継続的発展のためには,環境問題の解決が大きな課題となっています。一方,耕種農家も消費者の求める安全で美味しい農産物をつくるため,良質な堆肥が必要となっています。これらの課題を克服するため,畜産基盤再編総合整備事業により建設していた,牛ふんと豚のふん尿を処理する堆肥センターが美星町黒忠に完成しました。
 美星町は,養豚が盛んで繁殖経営12戸,肥育経営・一貫経営各1戸で繁殖豚820頭,肥育豚3,950頭が飼育され,県全体に占める割合は約2割です。乳用牛は33戸で1,026頭,肉用牛は33戸で肥育牛391頭,繁殖牛87頭が飼育されています。また,有機無農薬野菜,町内で生産された乳製品,肉加工品を中心に販売する「星の里ふるさと青空市」は大変な人気で,休日には多くの買い物客で賑わいます。
 堆肥センターの整備概要は,建物1,950u,開放直線型撹拌発酵機(スクープ撹拌方式)2機,袋つめ機,堆肥運搬用ダンプ各1台です。本センターは,牛500頭分のふんと豚1,500頭分のふん尿(日量約43t)を処理する能力があります。堆肥の生産量は,年間3,575tを予定しています。運営は,役場,農協,畜産農家(酪農家13戸,肉用牛農家1戸,養豚農家3戸),耕種農家1戸で構成する運営組合をつくり独立採算で行う方針です。
 堆肥センターの運営では,製品である堆肥の販売が各地で課題となっています。当堆肥センターでは,特徴である「牛ふんと豚ふん尿の混合堆肥」であることを生かすため,平成10年度から堆肥成分の分析,需給動向調査,需給情報窓口の設置,実証展示などに取り組み,「星の里ふるさと青空市」で人気の有機無農薬栽培野菜や町の特産米「星むすめ」への利用を積極的に進めることとしています。