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〔畜産センター便り〕

「おいしい畜産物加工品を皆さんに!」

岡山県畜産物加工技術研究会

岡山総合畜産センター

経営開発部先端技術科

技師 西   淳 子

1.研究会の概要
 岡山県畜産物加工技術研究会は,畜産物加工に関する技術と知識の向上を目的として,県下で実際に畜産加工品の製造・販売を行っている団体・個人を会員に,平成4年に設立されました。現在,19の団体会員と9の個人会員により構成されており,事務局は総合畜産センターの先端技術科が担当しています。センターには全国の畜産試験場でもユニークといわれる畜産物加工部門があり,この研究会を通じてセンターに集まる情報や専門知識を県下の技術者に役立ててもらうとともに,岡山県の畜産物加工をもり立てていこうとの発想が,研究会設立のきっかけとなりました。
 研究会の事業としては,年1回の総会及び講演会,乳加工研修会,肉加工研修会,先進地視察などを実施しています。食品に関係した研究会という特徴から,実際においしいものを食べる機会も多く,会員の期待を裏切らない(?)研究会です。

2.平成9年度活動内容
 本年度は,岡山県地域養豚振興促進事業の補助を受け,肉加工研修を中心として密度の濃い研究会活動を行うことができました。
 これまでの肉加工研修会では,オランダとドイツの食肉マイスターの資格を持つダンカース氏に技術指導をお願いし,国際コンクールで入賞する優れた製品を作る会員も現れています。今年度からは,さらに先進地であるヨーロッパの加工技術を基礎から身につけるために,3ヶ年でカリキュラム化した研修を組み,肉の分割法から加工まで系統だった技術習得を目指しています。
 また,日頃の勉強の成果を知ってもらうため,会員の念願であった加工品の試食会を「ユ98おかやまポーク!ぽーく!ポーク!」と銘打って,3月11日に行いました。岡山県食肉事業協同組合連合会と共催で行われたこの試食会は,岡山駅前のホテルを会場に100名あまりの消費者・流通関係者などを招いた非常に盛大なものとなりました。会員であるJA美星町,JA奈義町,まきばの館,ドイツの森,金時ファーム,日笠農産のハム・ソーセージ・ベーコンなどを材料にした料理や,加工品の食べ比べ,商品の紹介を行いました。試食会の様子は,ラジオの生放送で流れましたから,ご存じの方も多いのでは。
 この他に,総会の講演会では,食肉と食肉加工に関する最新情報を,食肉通信社の第一線の記者である中村誠先生を招いて,グローバルにお話していただきました。乳加工研修会では,地域特産品のコンサルタントをされている加藤正彦先生に,先生が開発を手がけた乳製品を試食しながら,特産品づくりに成功するためのポイントを具体的にお話ししていただきました。

3.これからの研究会の活動
 来年度も今年以上に積極的に加工技術の向上や畜産物に対する知識を深める活動を行っていく予定です。来年度は,畜産物加工品の消費拡大をアピールするパンフレットの製作が計画されており,より活動の幅を広げていくことになりそうです。
 会員は常時募集中ですので,興味をもたれた方は事務局までご一報下さい。