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〔学園だより〕

春爛漫!!はばたけ若い人

中国四国酪農大学校

 青く広がる牧草地,新しい牛舎,そして生き生きとした学生たち。
 ここ(財)中国四国酪農大学校では,今年も総勢27名(男子19名,女子8名)の新入生が入ってきました。
 また,三木が原にある第2牧場では待望のフリーストール牛舎が完成し,4月終わりには引っ越しも終わりました。今は,牛たちも落ちつきを取り戻し,ゆったりと過ごしています。当校はご存知のとおり,酪農後継者の育成という大きな使命を持って学生の教育を行っていますが,ここで学生たちがどのような生活をし,何を学んでいるのかを,少しご紹介したいと思います。
 学生たちの一日は,早朝5時半からの搾乳で始まります。搾乳当番の学生は,眠い目をこすりながら起きてきますが,作業が始まれば,のんびりしてはいられません。第一牧場はホルスタイン種約34頭をパイプライン方式で,第2牧場はジャージー種約80種をミルキングパーラー方式で搾乳していますが,牛が能力を最大限発揮できるよう,いかに適切且つ迅速に搾乳できるかがポイントとなります。また,牛一頭一頭をよく観察し,体調不良,発情などを発見することも必要です。気を抜いていると乳房炎を起こしたり,牛に蹴られたりということも・・・。
 搾乳が終われば,メンバーを交代して8時からの定例作業が始まります。搾乳当番以外の学生全員で,餌やり,牛舎掃除,子牛の哺乳などを行います。餌やりだけでも搾乳牛,育成牛,子牛,肥育牛などといろいろなセクションがあり,みんなで手分けをして作業をします。4月当初は,やはり牧場作業にも牛にも慣れてなく,多くの学生が戸惑っており,なかなか前へ進みませんでした。まずはスコップを使うことに慣れ,一輪車を倒さないように進むことからのスタートでした。と言ってもみんな楽しく活気に満ちて学習をしています。
 朝,子牛が産れていると,「先生,産まれとるー!」と大声で慌てて走ってくることもしばしば。また,中にはびっくりするほど作業のてきぱき速いものもいて,いくら酪農家出身とはいえ「よく家の手伝いをしているんだろうなあ」と感心させられることもあります。
 朝の定例作業の後は,講義が始まります。履修科目は,酪農経営学,飼料学,家畜繁殖学,家畜飼養管理学,その他様々で,教室内だけでなく,コンピューター室や実験室,牧場を使った演習も多く,常に実践と結びついた学習ができる体制になっています。
 そして午後3時からは夕方の定例作業として,搾乳のほか朝とほぼ同様の作業が行われます。そして,午後5時に終了して1日が終わるのです。
 いや,学生にとっては,5時以降が本番かもしれません。当校は全寮制なので,寮生活もまた勉強のうち。スポーツや音楽に打ち込み,また部屋で騒いだり,車で出かけたり,時には明け方まで起きていて,そのまま搾乳にでる者もいたり,また冬は毎晩スキーに言ったり・・・と,さすが若いもんは違うという感じで学園生活を嘔歌しています。
 このような毎日を過ごしている一年生は,やがては二年生となり校内,校外での実務研修を受けます。現在も二年生が,北は北海道から南は沖縄まで,全国各地の先進農家へ研修に行っており,冬には一段と成長して帰ってくることを期待しています。さらに夏には海外研修として3名がオーストラリアの牧場へ行くこととなっています。
 また,2年間のカリキュラムの中では家畜人工授精師,牛削蹄師の資格などを取得することになっており,全員が毎年,悪戦苦闘しています。
 このように,ここで学ぶ学生たちは,毎日牛と接し,体も頭も使い,共同作業,共同生活を行っているので,技術的なことはもちろん,肉体的にも精神的にも成長して,社会に出て活躍してくれるものと期待しています。
 飼養農家戸数が減少している厳しい状況の中で,彼ら,彼女らは,これからの日本の酪農を支えてゆくべき大事なタマゴなのです。
 彼らが立派に巣立つことができるよう,我々もしっかり見守って行きたいと思います。  

財団法人中国四国酪農大学校
    第2牧場技師 高取 健治